走れARMA(下)

 さて、実際に自動運転バスのに乗ってみる。進行方向後ろ向きの席に座り、まもなく発車となる。最高速度20kn/hと最高速度こそ抑えられているものの、そこまでの加速は軽快だった。停留所は利用者があってもなくても必ず停車するようになっている。これは制御プログラムの都合もあるのだろうが、速度が遅いので他の交通に道を譲るためという意味合いもあるのだろう。

 赤信号で停車する時だけは添乗している係員がゲームのコントローラーで指示を送っていた。その他の安全確認は全て自動運転になる。課題だと思ったのは、、運動公園の停留所の手前にはヘアピンカーブがあるが、ここの走りは熟練したドライバーのハンドル捌きには及ばない。ゆっくりと慎重にヘアピンカーブを曲がっていった。

 まだまだ課題はあるのだろうが、高齢化が進展し、運転免許を返納する人が増える時代にあって、新しい交通機関として実用化されることを期待したい。

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走れARMA (上)

 福島県田村市の船引駅北側で行われている自動運転バスの実証実験に体験乗車してきました。

 この実証実験は、JR船引駅北口を起点に、住宅地や公共施設、商業施設を巡回するルートで行われた。日曜日ということもあり、子どもを連れた保護者のほか、成人の女性、そして地方のバスでは見られない成人男性の姿も見られた。

 実証実験に使われたバスはマクニカという会社が製造したBEV(バッテリー式電気自動車)で、レベル3の自動運転システムを持つ。この段階の自動運転とは、一定条件下で全ての運転操作をシステムが行うものである。緊急時には運転手が運転を行うこともある。

 写真をご覧になるとお分かりかと思うが、スキー場などで見られるゴンドラリフトのようなデザインは沿線の人の注目を浴びていた。全長4.75m、全幅2.11mと、ピープルムーバー(ミニバン)より少しだけ大きいサイズで住宅地の狭い道にも入っていけるのは大きな強み。定員は15名で、ゴンドラリフトのように前後に4名ずつの座席と進行方向右側に3席が設置されている。流石に定員いっぱいに座ると少し狭いが、長時間の乗車を前提にしないのであれば十分だろう。



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船引にあいつがやってくる

 12月9日(土)から、22日(金)まで、福島県田村市の船引駅北側の住宅地と商業地で、自動運転バスの実証実験が行われます。急速な高齢化と労働力不足の進行で、運転免許を返納したけれど、どうやっって移動したらいいのか困っている人を減らし、自家用車がなくても生活できる地域づくりはもはや日本全国共通の課題である。

 今回使用される車両は10人乗りの小型バスで、最高速度も20km/h未満である。わずか2週間の実証実験だが、タイミングが合えば乗りに行きたい。なお、料金は無料です。

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バスが無くなってどうする

 福島県いわき市を中心とする地域で路線バスを運行する新常磐交通が、来年春に大規模な路線廃止をすることを発表した。新聞等の報道によると廃止になる路線は以下の通り。

(1)平―好間中―榊小屋
(2)平―谷川瀬
(3)平―平工高―中央台―玉川―小名浜
(4)平―若葉台
(5)平―鹿島―洋向台、平―鹿島SC―洋向台
(6)中央台―飯野―高専前―医療C―内郷、中央台―飯野―高専前―一高―医療C―内郷
(7)湯本―桜ケ丘、湯本―桜ケ丘―田場坂
(8)湯本市内循環(内・外)
(9)湯本―遠野高
(10)上遠野―大平―入遠野、上遠野―川畑―入遠野
(11)菊田小―鳳城、菊田小―万治、菊田小―南台、菊田小―井戸沢
(12)小名浜―江名―西原―光洋高
(13)泉市内循環
(14)(急行)泉―イオンモール
(15)植田―磐城農高―勿来工高

 現在運転免許を持っていない学生、高齢者、心身に障がいのある方、今後運転免許返納を検討している高齢者の方などの移動が困難になるなどの大きな影響が出そうだ。

 路線バスは全国的に縮小が続いており、大阪府に本社を置く金剛バスがすでに廃業を決め手あるほか、多くの会社が路線の廃止や運行本数の減便を決めている。多くの会社が利用客の減少による赤字経営や運転手の不足を理由にあげている。

 それならハイエースなど普通2種免許で運転可能な車両にすれば良いと考える人もいるが、こちらも不足は深刻で、地方ではタクシーがの利用に不便をきます状態になっている。また、全国各地で自動運転バスの実証実験も行われているが、最高速度が20km/hになっているので、他の交通への影響が大きく、まだまだ幹線道路を走る路線への投入は難しそうだ。 

 地方では自家用車に頼っている人が多いが、今運転できている人も、いずれは運転できなくなる、あるいは、自家用車を買い替える経済的余裕がなく、古い車に無理やり乗っていると思われる人もいる、これだっていずれは限界が来る。人間は移動する生き物だ、誰でも利用できる交通機関のこと、もっと真剣に考えたい。

未来へ語り続ける勇気

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 先日、宮城県石巻市の震災遺構、旧大川小学校に行った。仙台からおよそ1時間少々、三陸自動車道を河北インターで降りて、近くの道の駅で食事をした後、北上川の堤防沿いの道を20分ほど走ると大川小学校に着く。北上川はゆったりと流れ、その両側には水田と小さな集落がある。天気も良く、景色も広々している。やがて、青い色の橋が見える、この橋は新北上大橋と言う。橋を過ぎてまもなく大川小学校に着く。

 この大川小学校は2011年3月11日、15時36分頃、校庭から避難場所に向かっていた大川小学校の児童と教職員を津波が襲い、その場にいた児童78名中74名死亡、教職員11名中10名死亡という大惨事になった。他に、校庭に集まっていた地域の住民にも犠牲者が出た。

 大川小学校の校舎は津波の威力を私たちに無言で訴えていた。壁は崩れ、体育館はコンクリートでできた部分を残し消滅し、渡り廊下は海側に向かって倒れていた。

 大川小学校では、地域の住民の方の語り部の方の話を聞くことができた。震災当日の様子、その後のこと、現地でなければ聞くことのできない貴重な話だった。この方は津波の被害で家族の方を亡くされていて、真実を知りたい、そして真実を多くの方に伝えたい一心で自分の時間を割いて語り部の活動をされていた。その姿や語り口からは深い悲しみとやり場のない怒りが感じられた。中には思い出したくないこともあるだろう。それでも語り続けるのは、この津波の被害を風化させたくない、家族や大川小学校の児童、教職員、地域の住民の犠牲を無駄にはしたくないという強い意志が感じられた。1時間の予定であったが、私たちの質問も交えながら予定を大幅に超えてお話を聞くことができた。本当にありがとうございました。

立ち上がれ、宝塚ファン!

 宝塚歌劇に所属する俳優がマンションから転落した事件について、睡眠時間が十分に取れない過酷な勤務状況と、歌劇団内でいじめと見られるパワハラの存在が明らかになった。

 宝塚の現状を変えるのはファンの皆様の力だと思う。おそらく、宝塚のような閉鎖的な組織に自浄作用はない、あれば不当な長時間労働もパワハラもとっくに無くなっている。ファンの皆様の抗議があってはじめて宝塚は変わるのだと思う。では、具体的にどうするか、客席を1年くらいガラガラにする。これほど強烈なメッセージはないと思う。宝塚には熱心なファンも多いと思う。宝塚で夢をもらった、生き甲斐を与えてもらった方もいると思う。今度は皆様が不当な長時間労働やパワハラに苦しんでいる人を救う番だと思う。

MIRAIの未来

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 トヨタMIRAIは、世界初の量産車としての燃料電池車である。2014年に販売開始され、現在は2020年に販売開始された2代目が販売されている。

 先日、初代MIRAIのレンタカーに乗る機会があったので、感想を書いてみたい。ボディスタイルはいわゆるセダンタイプ。トヨタはプリウスもそうだたが、新しい技術を導入する時、セダンタイプの車から導入する。それだけ長年作り続けてきたセダンへの深い思い入れがあるのだろう。全体的に空力を重視した凹凸を抑えたデザインはやばり近未来の車という印象を持つ。

 ドアを開け、車内に入ると、白を基調としたインテリアが美しい。レザーシートの掛け心地もなかなかのものだった。押しボタン式のスイッチを入れ、ゆっくり走り出す、全幅1815mm、全長4899mmのボディはやはり大きさを感じる。仙台駅周辺の細い道路を慎重に進む。

 広い道路に出ると、モーターの加速も力強く、静かで振動もなく、実に快適。仙台東部道路、三陸自動車道も疲労を感じることなく走った。

 同行者2人と運転を交代しながら走ったから、運転席だけでなく、助手席や後席の座り心地を試したが、いずれも良好、とくに、あえて2人がけに抑えた後席が快適だった。

 3人で2日間でおよそ230km、水素充填量は2.1L、金額は2,500円と少しだった。ガソリン価格を1L180円とすると、MIRAIの走行にかかるコストはガソリン車に換算すると13.5km/Lに相当する。ガソリンエンジンのDセグメントのセダンと同等かやや良いがハイブリッドには経済性ではかなわないという結果になった。

 今後の課題は、水素充填施設の普及だろう。宮城県内には、仙台市宮城野区と岩沼市にしかない。宮城県内なら、あと、白石市、大崎市、石巻市、気仙沼市、塩竈市あたりにらほしいし、仙台市内の西部(泉区、青葉区、太白区)にもほしい。今後徐々に増えるのだろうが道のりは遠い、また、水素タンクの交換費用も長期間乗るなら必要になってくる。

 課題は多いが、燃料電池車は走行中に水蒸気しか排出しないという強みがある。MIRAI がどのような未来を切り開くだろうか。

未来のMIRAI

 人生も歴史であると思う。だから、だれの人生にも「その時歴史が動いた」瞬間があると思う。

 この人にとって歴史が動いた瞬間とは、2011年3月11日、同じく2011年8月25日、そして、2019年5月3日、おそらくその3回だろう。

 この人の名は、MIRAI、岩手県宮古市に生まれた。宮古市は三陸海岸の中心的な都市である。盛岡からJR山田線という路線がある。盛岡駅を出て2、3駅も進むともう人口の少ない北上高地を走る、区界峠を越え、閉伊川に沿って下るとやがて宮古に着く。海沿いの小さな町だが、北上山地を越えてきた旅人には都に着いたような気持ちになる。MIRAIはそんな場所に育った。

 MIRAIにとって最初に歴史が動いた日は2011年3月11日、言うまでもなく。東日本大震災の日である。MIRAIが住む岩手県宮古市は。震度5強の揺れが襲い、8.5mの津波に見舞われた。死者、行方不明者は600人を超えた。まだ11歳の少女であったMIRAIにとって、想像を絶する恐怖であっただろう。

 次に歴史が動いたのは2011年8月25日、初代タイガーマスクの佐山聡らが宮古に来て、復興支援のチャリティプロレスを開いた。MIRAIはこれを見て、自分もプロレスラーになることを決意した。実はこの時のMIRAIはいじめられっ子で孤立無援の状況であった。プロレスと出会わなかったらもしかしたらMIRAIはいじめに屈していたのかもしれない。そう考えると人生における出会いの不思議さを感じる。

 その後、MIRAIは柔道に打ち込み、高校を卒業後、練習生としてプロレスの世界に入る。そして、2019年5月3日、東京女子プロレスからプロレスラーとしてデビュー、その後、スターダムに移籍し、現在、ワンダー・オブ・スターダムのベルトを持つチャンピオンである。武器は強烈なラリアット、こいつは私も郡山で見たことがあるが、相当な破壊力がある。

 いじめと震災を乗り越えて、プロレスから勇気と夢をもらった少女は、夢を実現させプロレスラーになった。これからも戦い続け、たくさんの人に勇気と夢を与えるだろう。MIRAIのこれからを応援したい、魂をこめて。

未来に伸びる宇都宮ライトレール

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 8月に開業した宇都宮ライトレールに乗ってきた。想像以上に完成度の高い交通機関だったので紹介したい。

 まず、宇都宮ライトレールの概要だが、宇都宮駅東口を起点に駅東側の市街地を通り、新4号、鬼怒川を越え、日本最大級の内陸型の工業団地である清原工業団地、住宅地のゆいの杜を経由し、本田技研工業の一大拠点近くの芳賀・高根沢工業団地を結ぶ路線である。

 電車のデザインから、ブラックと、イエローがに塗り分けられた電車はなかなか斬新である。また、路面電車であることから、自動車からの視認性は良い配色を選んだことがうかがえる。また、雷都と呼ばれる宇都宮の地域性も表している。車内に入ってみると、配色はグレーとイエローの配色になり、柔らかく、リラックスした感じになる。座席の形状などは自動車産業が盛んな宇都宮らしく、電車の座席というよりはスポーツカーのシートを意識したデザインになっていることが興味をひく。

 電車の走りはスムーズで、騒音や振動も最低限に抑えられており、快適性は極めて高い。車両の床は低く、車いすを利用している人も利用しやすい高さになっている。また、無料Wi-Fiや大型モニターもあり、路面電車の車両としては充実した装備である。気に入ったのがロールカーテンで、薄いグレーなのだが上品な色で、宇都宮の伝統工芸品を意識したものらしい。大きな窓は魅力的だが、上の方だけロールカーテンを下ろせば視界を妨げずに日差しだけ和らげることができる。

 土曜日の昼間に乗車したが利用は多く、部活帰りの高校生や買い物に行く人などで立ち客もああるくらいの大盛況であった。沿線には、工場のほか、宇都宮大学、作新学院大学などの学校、グリーンスタジアムや清原球場などのスポーツ施設、ベルモールなどの商業施設があり、旺盛な需要があると思われる。将来は芳賀町中心部や東武宇都宮駅方面への延伸も計画されている。宇都宮ライトレールの発展を祈りたい。

私たちは主権者である

 先週のブログで取り上げた埼玉県議会の自民党議員団が提出した条例改正案、通称留守番禁止条例案は、あっさり撤回された。それはそうだ。この条例案の内容はあまりに無茶で、シングルマザー、シングルファザーだけでなく、共稼ぎ世帯でも到底守れそうにない内容で、多くの世帯が条例違反にあたる可能性があるばかりでなく、常に大人の目がある環境というのは、子どもの社会性や自主性の発達にとっても必ずしも良いとは思えない環境である。

 今回撤回に追い込んだ力は、他ならぬ主権者である私たちの声である。ちょっと考えてみよう。日本国で最も偉いのは誰か。それは総理大臣でもなく、最高裁判所長官でもなく、衆議院議長でも参議院議長でもなく、もちろん天皇でもない.じゃあ誰か、それはこの文章を読んでいるあなただ。もう少し正しく言えば主権者である日本国民一人一人だ。どんな優れた政治家であっても間違いを犯す。ましてやその政治家がポンコツなら間違いを犯すものと考えたほうがいいだろう。この国の行方を決めるのは政治家ではない。我々主権者である国民だ。多くの人が声を上げれば政治家の間違いを正すことができる。当たり前のことであるが、今回のことで学んだ教訓である。

これは正気なのか?

 自宅で留守番させてはいけない、(100メートル先の近所の家に回覧板を届けるため一時外出する場合も含む)▽子どもだけで公園で遊ばせてはいけない、子どもだけで登下校させたり、おつかいに行かせてはいけない、 高校生(18歳未満)のきょうだいに子どもを預けて出かけてもいけない。これはアメリカかどこか海外の話のように聞こえるが、れっきとした日本の話。埼玉県議会の自民党議員団が議会に提出し、委員会で可決した条例の改正案である。

 条例の趣旨は子ども(ここでいう子どもとは小学生以下の子供である)、小学3年生までは義務、小学4〜6年生までは努力義務になる。埼玉県はなんと子供に優しい政策をするのであろう。家庭には人を派遣して、保護者が外出する際には子供の目になる人を派遣してくれるし、子どもだけで登下校しなくて済むように、スクールバスを出してくれる、もちろん放課後児童クラブはいつでも空きがあり利用可能。そんな恵まれた子育て環境を埼玉県は用意してくれている。それなら素晴らしいことだと思うが、莫大な予算とマンパワーが必要になる。本当にできるのか自民党と言いたいところである。

 別の面から考えてみよう。周りに常に大人がいる環境が、子供にとって本当に良い環境なのかという疑問がある。子ども同士で遊んだり、子ども同士で登下校することに全くリスクがないとは言えない。それでも、子どもたち同士の中で子どもは危険を学んだり、社会性や自主性を学んだりするのではないかと思う。常に周りに大人がついていて、あれこれ指示しないと動けない指示待ちロボットのような子供を量産したいのだろうか。

 保護者の立場から考えても問題は多い。近年は共稼ぎ、シングルマザー、シングルファザーも増えている。登下校も塾や習い事も、放課後の時間も、埼玉県が一才子どもの面倒を見てくれればさほど問題ないのであろうが、実際は違うだろう。保護者にいつもそばに居ろという趣旨なのは明白である。例えばここに、シングルマザーあるいはシングルファザーがいたとして、子どもを学校まで送っていって、それから仕事に行く。子供に学校が終わる前に仕事を終え、子供を学校に迎えに行き、公園に遊びに行くのにも一緒について行く。もし、自分に通院や急な用事ができても子どもをずっと連れて歩かなければならない。そう考えると相当非現実な話だと思う。

 これはもしかしての話だが、埼玉県の自民党県議団の皆様は、家に祖父母と母親が常にいる家庭しか想定できない残念な数多しか持ち合わせていないのかもしれない。現在、父親だけの稼ぎでは食べていけない家庭も多いし、3世代同居がうまくいかない家庭やシングルマザー、シングルファザーも多い。子どもの安全は非常に大事だが、社会全体で子育てを支援して行き、保護者に過剰な負荷をかけないこともまた大切である。

恐れていたことが起きた

 駅弁は旅の大きな楽しみのひとつである。地域の食材を使い、地域の味を楽しむ。その中には名物駅弁となり、全国にその名を轟かせているものもある。群馬県の横川駅の峠の釜飯、富山県の富山駅のますのすし、福岡県の折尾駅のかしわめし、北海道の森駅のいかめし、まだまだたくさんある。その中に、青森県の八戸駅の八戸小唄寿司という駅弁がある。しめ鯖と鮭を使った押し寿司で、少し甘めの酢飯に脂の乗ったしめ鯖と鮭が実によく合う弁当でなかなか美味しかった。全国各地に駅弁はあるが、内情は決して楽とは言えないようだ。かつては列車の速度が遅く、駅構内の飲食施設や商業施設も今ほど充実していなかった時代は駅弁のお世話になることが多かったが、今では列車の速度も上がり、列車内で食事をすることも減り、コンビニエンスストアの充実でライバルが増えた。そのため、廃業に追い込まれる駅弁業者も多い。

 もちろん駅弁業者も黙ってはいない、様々な新商品を開発したり、デパートやスーパーマーケットの駅弁祭りに商品を出しているところも増えた。とくに、デパートやスーパーマーケットの駅弁祭りは人気のある企画で、売り上げの多くをここであげている駅弁業者も多いと聞く。もちろん、販路を拡大して売り上げを増やすのは悪いことではない。しかし、それには安全という大前提がつく。そこに一抹の不安を持っていたが、今回その不安が現実になった。八戸の駅弁業者がスーパーマーケットなどで販売した駅弁で食中毒が発生し、その被害者は全国で500人近くになるという。

 実は、この食中毒が発生したのは、9月16日と17日に販売されたものであったが、16日に市内のスーパーマーケットに行った時に、駅弁祭りをやっていたことに気づいたが、暑い時期にはまだ早いのではないかと思ったので、駅弁は買わずに帰った。その時食中毒を起こした業者の駅弁があったかまでは見ていなかった。駅弁は常温で販売されることが多い。本来なら駅のそばで調理して、短時間で売り切るのが本来の姿である。暑い時期に長距離を輸送して販売するというのは、徹底的な衛生管理が必要なことなのだろうが、そこに少しのミスがあるとこのような事態になる。

 今回の食中毒では、米飯が糸を引いていたという証言がある。問題となった米飯はは八戸からおよそ100km離れた岩手県にある業者から納品されたものであるが、温度管理が不十分で、本来30℃以下で納品されるべきものが、50℃程度で納品されていたという。また、八戸市まで輸送した車は、冷蔵車ではなく、普通のワンボックス車で、エアコンをかけていただけだという。車のエアコンは当然ながら食品を保冷するだけの能力はない。(車のエアコンにそんな能力があったら、下手すれば車内に乗っている人は低体温症になる)。また、駅弁業者も温度が高いことを認識していながら廃棄せず、自社の設備で冷却した後弁当に使ったという。

 今回の問題は、米飯の衛生管理の問題が大きいが、それと並んで、自社で炊飯できる数を大幅に上回る発注を受けてしまったことにもあるだろう。もちろん、3連休でかき入れ時だったから無理をしてしまったのかもしれない。衛生管理の基本に立ち返り、無理のない範囲で販売するなど、して、安全で美味しい駅弁が食べられるようになって欲しいと心から願う。

世界に誇るモビリティショーに

 10月28日から11月5日まで、東京都のビッグサイトでジャパンモビリティショー(旧称、東京モーターショー)が行われる。今回の特徴は海外勢の出展がわずか3社(ドイツのメルセデス、BMWと中国のBYD)にとどまったことである。かつて常連だったフォウクスワーゲン、アウディ、ミニ、ランドローバー、ルノー、フィアット、プジョー、シトロエン、ジープ、テスラ、ヒョンデ、これらの会社はみんな出展を見送った。海外のモーターショーでの日本メーカーの存在感も薄いそうで、日本の自動車市場も自動車産業もどうも今ひとつ元気がないようだ。

 海外メーカーがジャパンモビリティショーへの出展をしないのは、人口が増加し、自動車の普及が進んでいる新興国の市場を重視したからという理由で一応説明がつく。日本は人口減少過程に入り、今以上の自動車の普及も望めそうにない。そうなればどちらを重視するかは言うまでもないだろう。海外のモーターショーで日本の自動車産業が元気がないのは、ズバリ出す車がないからだと思う。世界の自動車産業は急速に電動化にシフトしつつあるが、日本の自動車産業は乗り遅れている感が強い。

 では、どうすればジャパンモビリティショーが活性するか、私の案はこうである。バリアフリーとユニバーサルデザインを全面に押し出したモビリティショーにしてはどうかと考える。日本は急速に高齢化が進み、高齢者が安全に移動するためにどうしたらいいかが大きな課題になっている。実はこれは世界の多くの国が将来直面する問題である。世の中問題があるところにビジネスチャンンスがある。高齢者が安全に移動するためのモビリティを提案するショーにすれば世界にない画期的なモビリティショーになると思う。どうだろう、この案はなかなか悪くはないと自画自賛しているが。

蛭子さん的生き方

https://x.com/warawareruyuuki/status/1693845319698776253?s=53&t=I-361nATdKd5A0fGQPugrQ

 認知症を公表した漫画家でタレントでもある蛭子能収さん。周囲の協力もあり個展を開くことりなりました。

 高齢化が進行し、ますます認知症を患う人が増えると予想されるこの時代、自分らしく生き続ける蛭子さんの生き方は多くの人に希望を与えるだろう。何よりも、周囲の人と良好な関係を築いてきたからこそできたことだと思う。

人手不足の国、どこへ

 大阪府富田林市、河南町、太子町、千早赤坂村で路線バスを運行する金剛自動車が、深刻な乗務員不足を理由に今年12月で路線バスの運行を取りやめると発表した。同社には数年前にはおよそ30人の乗務員が在籍していたが、現在はおよそ20人、8月の平日には1日あたりおよそ2600人の利用があった(8月は学校の休みの月であり、普段はもっと多いと思われる)が、駅から離れた場所に住んでいる人を中心に多くの人が生活の足を奪われることになる。中には自家用車を持っていない高校生までの年齢の人や高齢者、経済的や身体的な事情で運転免許を取れない人もいる。また、家族の自家用車で送り迎えをしてもらえる人もいるだろうが、バスよりはるかに多い台数の自家用車が走ることで、富田林の市街地を中心に渋滞が激しくなることも予想される。

 周辺の地域で路線バスを運行する南海バスや近鉄バスが応援するとしても、大手事業者でさえ人員の余裕はどれほどあるか。近年、バス事業だけでなく、人手不足で事業を縮小したり、廃業したりする事業者が増えている。少子高齢化と人口減少が続く日本で、高齢者の踏ん張りでなんとか続いている事業は多いのだと思う。その高齢者が頑張りきれなったくなった時、果たして社会機能をどうやって維持していくか。いずれはバスの運転も自動運転化されるのだろうが、それにはもう少しかかりそうだ。日本の行く末は不便な社会、そうならないため、外国から日本に働きにきてもらうことはもう現実的というより、なぜその方向に舵を切らないのか理解不能な話だと思う。働いてもらうということは、社会の一員として受け入れ、彼らの考え方、彼らの文化を受け入れること、彼らと共生することが避けられない。その覚悟があるか、それともズルズル不便な社会になるか、選択するのは私たち国民だ。

ジャニーズ喜多川の性暴行問題から

 ジャニー喜多川の性暴行問題について思うこと

1 性暴行については、女性への性暴行が問題とされることが多いが、当然男性への性暴行も大きな問題である。特に未成年者への性暴行は、被害者が男女いずれであっても深刻な影響を与える問題だと思う。

2 テレビ局などのメディアは、ジャニーズ所属アイドルが確実に視聴率を取れるということで、問題の存在を知りながら報道してこなかった責任は重い。

3 今問題になっていることだけではなく、他にも「芸能界だから」という理由で隠蔽されてきた問題は他にもあるのではないか。芸能界だけではなく、日本の社会全体に、一部の者に忖度し、人権が侵害されている人は多くいるのではないか。

4 今回の性暴行の問題は今年3月にイギリスのBBCが報道して事態が動き始めた。それまでは多くの人が噂として知っていても、一部の週刊誌を除いて積極的に取り上げようとはしてこなかった。日本社会全体の自浄作用が弱いのではないかと思う。

どうする、ジャニーズアイドルファン

 ここしばらく、芸能プロダクション大手、ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川(1931〜2019)による、未成年者を含む所属アイドルへの性暴行疑惑がメディアなどで取り上げられ、一部のアイドルは、スポンサー契約の打ち切り、スポンサー契約が打ち切られれば当然、番組出演の機会も減ることが予想される事態になっている。これらのタレントのファンにとっては気が気ではない事態であろうと思う。

 ジャニー喜多川はアメリカのショービジネスを見て1962年にジャニーズ事務所を創業した。多くの男性アイドルを輩出する一方で、1960年代には既に性暴行について一部で知られていたようだ。その後も多くのアイドルやアイドルのグループを生み出し、テレビや映画などを中心とする日本のショービジネスを牽引してきたといって過言ではないであろう。当然、テレビなどの関係者はジャニー喜多川が性暴行をしているという噂は知っていたのだろうが、ジャニーズはあまりに多くのアイドルを抱えていた、テレビなどの関係者はジャニー喜多川の逆鱗に触れればジャニーズ事務所は所属タレントをテレビ番組や映画に出演させないという対抗措置を恐れてジャニー喜多川の性暴行疑惑について深く追及することを避けてきた、いわば、日本のショービジネスのタブーになったと言っていいだろう。もちろん勇気ある人はいた。元ジャニーズのアイドルだった人が本の中でジャニーズ事務所の内幕を暴露したり、週刊文春の中でジャニー喜多川の性暴力について取り上げたことがあった。後に週刊文春とジャニーズ事務所の間で裁判になり、判決では、週刊文春の記事にあった事実はあったと認められたが、まだテレビ局の力が大きかった時代で、このことが大きく取り上げられることはなかった。

 事態が動き出したのは、2023年3月、イギリスの公共放送BBCがドキュメンタリー番組でジャニー喜多川の性加害について取り上げ、韓国、アメリカ、香港、台湾などの各国のメディアもこの問題を取り上げ、世界的に知られる事件になった。4月になると、元ジャニーズJr.のメンバーが実名でジャニー喜多川による性被害を訴た。こうなるとまだまだ目立たない扱いではあるが、日本のテレビもようやく重い腰を上げ報道するようになった。7月にはついに国連人権理事会も調査に乗り出した。8月にはジャニーズ事務所が立ち上げた外部の専門家による特別チームが未成年を含む男性アイドルへのジャニー喜多川の性暴行を認め、ジャニー喜多川以外の経営陣も問題を知りながら放置していた事実が問題を拡大させたと認定した。9月7日には、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長が会見を開き、ジャニー喜多川による性暴行を認めた上で謝罪し、社長を元少年隊の東山紀之に交代することを表明した。また、この問題を受けて、東京海上日動火災保険、日本航空、アサヒビール、アサヒ飲料、キリンビールなどの各社がジャニーズ事務所に所属するアイドルをCM出演の契約解除などを表明している。

 これからのことについて私なりの考えを示したい。まず、ジャニーズ事務所という看板を下ろすのは当然のことであろう。ジャニーズ事務所がジャニー喜多川の性暴行を認めた以上、ジャニー喜多川が日本のショービジネスを大きく発展させた功労者であろうと、性犯罪者であることはほぼ間違いないだろう。そうであるなら、ジャニーズという性犯罪者の可能性が高い者にちなんだ名称は適当ではなく、新しい看板で再出発を図るべきだろう。そして、この問題の処理が終わった段階で、藤島ジュリー景子社長を含む経営陣が退任し、株も手放し経営から一切手を引く(ビッグモーターの場合、創業者一族が株を手放さなかったことで批判されたことは記憶に新しいだろう)。アイドルの人権を守るための体制を作ることが大切だろうと思う。

 ジャニーズ事務所に所属するアイドルのファンは非常に多い、彼らから元気をもらっている、生き甲斐になっているという声も聞く。そういう人たちには非常につらい時期だと思う。今後、ジャニーズ事務所を退所したり、テレビなどへの出演の機会が減るかもしれないが、こんな時こそ、ファンがアイドルを支える時なのかもしれない。

 

忘れてはならないこと

 100年前の9月1日、関東大震災があった。この日の正午少し前、神奈川県の相模トラフで発生した地震は、マグニチュード7.9の規模の大きな地震で、首都圏一帯で震度6を観測した。この当時震度7はまだ設定されていなかったから、相当強い揺れであった。この地震で10万5000人余りの人が死亡、あるいは行方不明になったとされる。この地震では、昼前ということもあり、昼食に準備をしている家庭も多く、多数の火災が発生し、東京都墨田区にあった陸軍被服廠跡地をはじめ、多くの被災者が火災で死亡した。また、当時東京名所と言われた浅草の凌雲閣(浅草の12階)など多くの建物が倒壊した。

 この大震災で忘れてはならないのは、デマの怖さである。朝鮮半島出身者や社会主義者などが井戸に毒を入れたというデマが広がり、その結果数千人の人が殺害されたという報告もある。当時、朝鮮半島は日本に併合されており、同じ日本人同士の悲劇であった。未曾有に災害の中、一部の心無いもののデマにより、多くの人が恐怖心からパニック状態になり、自警団を結成し、朝鮮半島出身者と思われる人を見つけると暴行したと言われる。災害はそれ自体が恐ろしいものであるが、それによるデマはもっと恐ろしいものだと思う。このようなことがあったことは忘れてはならないと思う。

プロの仕事に感動する

 NHK第一放送(AMラジオ)に「夏休み子ども科学電話相談」という番組がある。子供の頃は図鑑大好き、いろんなことを知りたがっていた私にとってとても楽しみな番組だ。

 今は人に物を教えるようになると、子どもたちに回答する大学教授や様々な専門家の方の説明の仕方に注目するようになった。質問の内容によって、難しいことをわかりやすく説明しなければならないことがあり、様々な工夫や苦労をしながら回答している様子に感心している。

 今日、車を運転していながらラジオを聴いていたら、「雲の上に乗るにはどうしたらいいか」という小学校2年の女の子の質問に対し、回答した方の説明がまた見事であった。雲のできる仕組みや、人の体と雲の比重について、実にわかりやすい言葉で説明していた。私もこうなりたい、そう思うような見事さであった。さあ、明日から2学期か、頑張らなくっちゃ。

夏の終わりに

 とうとう東京電力福島第一原子力発電所の事故で発生した汚染水をALPSなる機械で濾過してできた処理水の海洋放出が始まった。汚染水には当然のごとくトリチウム(三重水素…水素の放射性同位体)のほか、セシウムやストロンチウム、ウランなどの放射性物質で汚染されていた。これをALPSで処理し、トリチウム以外の放射性物質は除去し、タンクに溜めていた処理水を海洋放出することになった。海洋放出の理由は東京電力福島第一原子力発電所の敷地がいっぱいになり、今も絶賛廃炉作業中で汚染水や処理水が増える中、タンクの増設ができずに海洋放出するしかないというこのだそうな。

 この件の感想はただただ悲しい。そりゃ、仮にALPSだかアルプス一万尺だか知らないがこれが期待通りに性能を発揮して、トリチウム以外の放射性物質以外の除去ができたにせよ、トリチウムは水素の仲間であり、全ての原子の中で最も細かいものであるからどうやって除去はできない。それを流し続ければ海洋汚染、海が汚れれば当然そこに住む魚やその他の生物への影響は避けられない。そのようなことを知ってか知らずか、政治家もアナウンサーも、口を開けば「風評被害」、「風評被害」という。辞書で「風評被害」という言葉の意味をひいてみると良い。実際に今でも時々国の基準以上の放射性物質に汚染魚が出ている以上風評ではなく実害である。今日も嬉々としてアナウンサーが今朝取れた魚から放射性物質が出ませんでしたと嬉々として報道していたが、そりゃ、放出して何日も経っていないのだから出ないだろう、当たり前のことを言うなと思う。とにかく悲しく情けない夏の終わりだ。

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