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私の願い

  中東のサウジアラビアのアブカイクとクライスにある国営石油会社サウジ・アラムコの施設がドローンの攻撃を受け、火災が発生した。この攻撃によって、1日あたり570万バレル(9億1200ℓ)の生産が減少した。サウジアラビアはアメリカに次ぐ世界第2位の石油生産国であり、
世界の石油生産量の10%を超える石油を生産している。日本をはじめとする石油輸入国は石油の備蓄をしているからすぐに石油製品の価格が上昇することはないかもしれないが、北半球がこれから石油の需要期である冬に向かうので、徐々に影響は出るかもしれない。それ以上に怖いのは、ドローンが本格的に兵器として使われるようになったことが怖い。

  1903年12月17日、アメリカのキティホークで、ライト兄弟が製作した、わずか12馬力のエンジンを付けた飛行機がわずか12秒、距離にして120フィート(36.5m)飛行した。これが人類初の動力付きの飛行機であった。それから間もなく、1911年に起きた伊土戦争では、飛行機は偵察に、その後爆撃に使用されるようになり、1914年に起きた第一次世界大戦では戦闘機も登場した。その後、飛行機の技術の発達は軍事利用と切っても切れないものになっている。ドローンも軍事利用と切り離せないものになってきたのだろうか。もちろん、ドローンの技術そのものが悪いわけではない。飛行機の発達によって、人や物が国境を超えて短時間で移動できるようになり、東京にいた人が翌日にはローマやパリにいることが普通のことになったし、ニューヨークで投函された手紙が大阪に何日もかからずに届くようになった。ドローンも、災害の状況把握や貨物輸送、警察の捜査など、活用できる分野は広いだろう。軍事利用の全てをダメだというつもりはないが、技術は人間を幸せにするために使ってほしい。

京急線事故が残したもの

   横浜市の京浜急行本線神奈川新町駅近くの踏切で、大型トラックと快特電車が衝突し、大型トラックの運転手が死亡し、電車の乗客ら35名が負傷をするという大きな事故が起きた。事故から2日以上が経ち、徐々に事故の状況も明らかになってきた。まだ捜査途中ではあるが、日本の多くの地域で抱える問題が浮き彫りになった事故であると思う。
   大型トラックは横浜市内でレモンやグレープフルーツなどの荷物を積み、一旦国道15号(第1京浜)を西に向かい、交差点をUターンするような形で首都高速に乗るようなルートを教えられていたようだ。しかし、その交差点で右折してしまい、京浜急行仲木戸駅方面に向かってしまい、その先にある、JR京浜東北線、東海道線、横須賀線のアンダーパスの高さ制限の標識にいく手を阻まれ、線路沿いの幅員3mほどの細い道路に入ってしまったようである。現場は京浜急行本線とJR京浜東北線、東海道線、横須賀線の線路に挟まれた川の中州のようになった住宅地で、大型トラックどころか、乗用車でさえ通りたくないと地元の人が言う場所であったようである。そして、突き当たりの交差点を左折して国道1号(第2京浜)に向かおうとしたがうまくいかず、右折して国道15号(第1京浜)に戻ろうとして踏切に侵入したようだ。大型トラックは現場の踏切近くでおよそ20分間切り返しを繰り返し交差点を出ようとしていたが、うまくいかなかったようだ。また、大型トラックと電車が衝突するおよそ40秒前には踏切の非常ボタンが押され、運転士に踏切の異常を示す信号も点灯したが、衝突を回避することはできなかった。

   この事故は多くの問題を私たちに投げかけた。最大の問題は踏切の存在。国土交通省の資料によると、全国にはおよそ3万3000カ所の踏切がある。徐々に減ってきてはいるが、踏切を解消するには線路か道路を高架にするか地下化するしかない。それには莫大な費用がかかり相当難しいだろう。 とはいえ、少しづつでも減らしていくしかないだろい。次の問題は、道路事情である。大型トラックが通行困難な道路があり、その案内が不十分な箇所がある。私が知っているところでも、数カ所、交差点を曲がってしばらくしてから大型車通行困難の標識がある。そういう情報は交差点の手前にないと非常に困るだろう。最後に、踏切の非常ボタンが押されたのに電車が止まりきれなかったという問題がある。電車は急に止まれないものであって、今回の事故にあった京急1000型電車は最高速度120km/hで運転されている。この場合、停止するのにおよそ500m必要なことになる。一方、運転士に踏切の異常を知らせる信号は現場の340m手前にあり、さらにそこより手前から信号が確認できるから十分止まれる可能性があった。しかし実際には止まれなかった。そのあたりもこれから先の調査を待ちたい。

踏切の解消も、狭い道も解消がこんなのであれば、そのような状況でいかに安全を図るか、これからの大きな課題だと思う。末筆ながら亡くなった大型トラックの運転手のご冥福と負傷をした電車の乗客の回復を切に願う。

考えなければならない未来

   衝撃的なニュースを耳にした。青森県のある市にある総合病院が看護師の不足で病棟の一部閉鎖の危機に直面している。原因はここ数年退職者が採用者を上回り続けること。看護師の数が減れば入院患者のケアをするために夜勤の回数が増える。この病院では多い人で月に8〜9回の夜勤をこなしているそうで、相当な激務と言えるだろう。その激務が退職者を増加させる原因になり、益々残った看護師に重い負担がかかるようになる。このままの状態が続くと2021年には夜勤体制が組めなくなり、一部病棟の閉鎖や入院患者の制限に踏み切らざるを得なくなるそうだ。この地域は元々大きな病院は少なく、この病院が機能しなくなったら、遠くの病院まで通院や入院しなければならなくなり、多くの人が不便を強いられるだろう。もちろん、他の地域の病院も十分な体制がある保証などどこにもない。
   

   大阪近郊のセブンイレブンの店主が、日曜日の休業を本部に申し入れた。ここも原因は人手不足、店を支えていた外国人留学生が帰国して、店主と数少ない人数で店の営業を続けることが困難になってきたからだ。現在、都市部のコンビニエンスストアを中心に外国人の力によって支えられていることが多い。それでも人手不足の場合は店主やその家族が休日や深夜のシフトに入ってしのいでいる場合が多い。コンビニエンスストア本部との契約上、勝手に店を閉めることは許されない場合が多い。

    日本の総人口は2004年に1億2784万人でピークに達したあと減少に転じ、2030年には1億1115万人、2050年には9515万人に減少するとみられている。外国人は増加を続けているが、それでも、日本人の減少を補うには至っていないし、間も無く台湾、韓国が人口減少に転じ、中国もあと10年程度で人口減少に転じ、東南アジアも多くの国で少子化が進んでいる状況では、いつまで外国人に頼ることができるかは定かではない。いや、日本が稼げる国であるから外国の人が来るのであって、日本経済の停滞が続けばそう遠くない将来、日本の人が中国や韓国、台湾、東南アジアに働きに行く時代が来るのかもしれない。そうなった時に、日本国内での労働力不足がもっと深刻になることも考えられる。考えたくはないけれど、考えなければならない恐ろしい未来だ。

甲子園が変わる?

  私は高校野球を見ることが好きだ。特に夏の高校野球はお盆前後の比較的家にいることが多い時期に行われているから見ることが多い。今年の大会は逆転や接戦の面白い試合が多く気がつけば1試合終わるまでテレビにかじりついていることもあった。おそらく多くの人が楽しみにしている高校野球だが、そう遠くない将来、開催方法が変わるだろうなという予感がある。
  昨今の猛暑は以前では考えられなかったものである。高校野球の会場である阪神甲子園球場がある西宮市の8月の最高気温は、20世紀はじめには30℃程度だったものが、現在は33〜34℃になっている。全国的に熱中症は深刻な問題になっており、西宮市も例外ではない。夏の高校野球は暑さのピークの時期に行われており、選手や審判、観客の負担は相当なものになっていると考えられる。 もっとも簡単なのは会場を北海道に移してしまうことだが、西日本の高校の遠征費が恐ろしいことになりそうだ。いずれにしろ、開催時期、開催時間、イニング数、球場設備などに大きな見直しが加えられることになりそうだ。これに対し、「甘えだ」「俺たちの楽しみを奪うな」という声も聞かれそうだが、昨今の暑さは鍛えたり精神力で乗り越えられるような問題ではなくなりつつあると思っている。
  実はことは高校野球の話だけでなく、私たちの生活の仕方全てに関わってくるのだと思う。先日大阪の遊園地で着ぐるみでダンスをする男性が亡くなったが、命を最優先した生活のあり方に切り替えていかないといけない時期になっているのだと思う。

終戦の日に

   かつて戦争は兵隊同士がするものでした。しかし、現代の戦争は市民も巻き込んだより凄惨なものになりました。1939年〜 1945年にかけて行われた第二次世界大戦では、軍人の死者が、連合国(アメリカ、イギリス、フランス、ソビエト連邦、中華民国等)、枢軸国(ドイツ、イタリア、日本等)合わせて2500万人前後なのに対し、市民の死者は一説には4000万人近いとも言われています。今も地球上では戦争が行われています。1日でも早く戦争のない世界が実現することを心から願っています。そのために今日は祈ります。

  近年、近隣諸国に対し挑発的な態度をとる政治家が増え、それを賞賛する人が増えてきた。対話が途絶えることが最も危険なことだと思う。対話をすること、私たち国民も可能ならどこかひとつの国でいいから交流を持つことが大切なのだと思う。

野鳥の王国、フォーエバー

  私の自宅の周辺は野鳥が多い。スズメやムクドリやカラスはもちろん、田んぼのあぜ道では頻繁にサギを見かけるし、たまにキジを見かけることもある、河原にはマガモがいるし、そして冬にはハクチョウが来る。サギが羽を広げて舞い降りる姿は美しいし、キジがあぜ道の端に立って周りを見回す様子は凛として美しい。マガモはこの時期はあぜ道をぴょこぴょこ歩く姿がかわいいし、ハクチョウはやはり気高い鳥だ。
  しかし状況は楽観できない。世界的に野生動物は減少傾向にあり、野鳥も例外ではない。もっとも典型的な一例を示せば、18世紀には北米に50億羽いたと言われているリョコウバトがわずか100年足らずで絶滅してしまったというれいがある。絶滅の主な原因は肉が美味であったことと、羽毛取れる事で乱獲されたためである。現在の野鳥も、気候の変動、開発による生息域の変化など厳しい条件がある。しかし、地球は人間だけのものではない。どうやって野鳥をはじめとする野生生物と共存するか、考えていくべきだろう。

投票日の朝のこと

   今日は参議院通常選挙の投票日、私は投票所に一番乗りすべく、6時20分過ぎに自宅を出た。5分ほどで投票所になる小学校に着いた。さすがにこの時間なら一番乗りだと思ったら、小学校の体育館の前にはすでに男性が1人並んでいた。投票所に一番乗りすると、投票箱が空であるか確認ができる。それだけといえばそれだけのことだが、一度はやって見たいと思っていた。少々がっかりしながら体育館の入り口で投票開始の7時を待っていたが、先にいた男性と、すぐあとに来た男性、私と妻の4人で選挙談義やら色々な話をしていたので待ちくたびれることなく楽しく過ごした。7時近くになって先に来ていた男性と私が呼ばれて投票箱が空であるかの確認をした。今回の選挙では、地方区と比例代表区があり、投票箱が2つあるためか、幸運にも投票箱の確認ができた。もっとも、投票所の係員が投票箱を開いて見せて、私が頷いたらそれで終わりというあっけないものであったが、ずっとしたいと思っていたことができた満足感があった。

選挙に行きましょう

https://vote.mainichi.jp/25san/

7月21日は参議院通常選挙があります。まさかこの文章をお読みの方で、18歳以上なのに選挙に行かない(棄権をする)という方はいないと思いますが、念のためもう一度言いましょう。皆さん、選挙に行きましょう、いや、どうか皆さん、選挙に行ってください。もし、21日当日都合が悪い方は、期日前投票という方法があります。とにかく、投票率を上げること、言い換えればみんなが選挙に行くことが、より多くの目で政治を監視することにつながります。民主主義というのは、偉い人に政治をお任せすることではありません、国民が自分の意思で自分たちの未来を決めることです。投票率が下がればそれだけ、政治を監視する目が減り、一部の人たちを優遇するデタラメがまかり通ることになります。民主主義をうたっていながら、それが十分に機能していない国が沢山あります。この国が将来そうならないように、政治に目を向けて、選挙に多くの人が行くようにしたいものです。とはいえ、政治家や政党がどんな政策を掲げているのかよくわからないという方は、「毎日新聞ボートマッチ」を活用してみてください。選択肢を選ぶだけで、あなたの考えに近い政治家や政党がわかります。

参議院選挙に寄せて

    第25回参議院通常選挙は、7月21日(日)投票で、現在選挙戦真っ盛りである。しかし、どうも有権者の関心がさほど高まっているようには思えない。前回の参議院通常選挙(2016年先に7月10日)の投票率は54.70%に過ぎないし、最も低かった第17回参議院通常選挙(1995年7月23日)の投票率は44.52%であった。

    投票率が低い原因を考えてみると、最大の原因は政治への不信感だろう。政治家が権力争いに終始して国民の方を向いていない、そのことへの絶望が政治家不信、そして、政治不信に向いているのではないかと思う。ただ、私は有権者、つまり我々国民のの方にも問題があるのではないかと思う。政治について調べて、考えている有権者はいったいどれくらいいるのか問いたい。普段から政治について話題にしている人を煙たがる空気がこの国にはないだろうか。

    民主主義という制度は、人類が長い間かけてたどり着いた、国民の基本的人権を守り、権力者の暴走や腐敗を防ぐための最良の方法なのだと思う。人間というものは、権力を持つと、自分や自分の取り巻きに有利な制度を作りたがるし、世の中には地位に固執したがる者もいる。もちろんどこの国で起きていることとは言わないが。選挙で投票率が高くなれば、権力をチェックする機能が高くなるが、選挙で投票率が低くなれば低くなるほど国民が権力をチェックする機能が高くなるものである。例えば投票率が80%あれば、投票に行かなかった有権者を含めて40%程度の支持がないと権力を維持することができないが、投票率が40%に下がれば、20%程度の人の支持で権力を維持することが可能になってしまう。そうすれば、特定の組織の支持を維持するだで、権力の維持が可能になり、国民のための政治ではなく特定の組織の人たちのための政治が横行することになるだろう。

    有権者の皆さん、選挙に行きましょう、投票に行きましょう。それも、自分が入っている組織、例えば会社や労働組合、宗教などが推している候補や政党、あるいは単純に地域の候補者という理由だけではなく、もちろん、友人や知人、親戚から頼まれた候補者や政党ではなく、自分で考えて、自分の意見に最も近い候補者や政党に投票してください。世の中で、テレビも見ない、新聞も読まない、ネットも見ないという人はあまりいないと思います。もちろん、候補者の個人演説会に行くのも大いに結構です。少し面倒でも、自分で考えて投票する。それが今のこの国を良くし、未来のこの国をさらに良くする数少ない方法だと思う。今回の参議院通常選挙、投票率がどうなるかも注目しています。

親友のこと

   高校1年のクラスにちょっと猫背で読書が好きで、15km以上の距離を自転車で通ってきている男がいた。仲良くなるにはちょっと時間がかかったが、なんとなく一緒にいるうちに「こいつはなかなか面白いヤツだぞ」と思うようになった。高校を卒業した後もたまたまだが同じ町で暮らすようになり、たくさん語ったし、彼から教えてもらうことも多かった。こうしているううちに、肌がツヤツヤ、ツルツルだった高校生はおっさんと呼ばれる年齢になった。ここ数年はなかなかタイミングが合わず会うこともなかったが、それでもずっと気にかけていた。昨日の夕方、久しぶりに彼と会ってそれぞれの仕事のこと、家庭のことを話しながら、焼肉を食べた。楽しい時間だった。面と向かって感謝の言葉を言うのは照れるが、「ありがとう、これからもよろしく」

自己責任の国

   最近「自己責任」という言葉をよく聞くようになった。非正規雇用になって将来に希望を持てないのも自己責任、病気になって働けなくなって食うに困るのも自己責任、ブラック企業に就職して心身の不調にあえいでも自己責任。挙げ句の果てに働けなくなって生活保護をもらったら甘えだ、小さな子供がいて、ベビーカーで電車に乗ろうとしたら迷惑だ、この国はいつからこんなに人に冷たく、弱者に厳しくなってしまったのだろう。そのうち、年金をもらうのは甘えだ、70歳になっても80歳になっても自分の食いぶちは自分で稼げ、病気になったら治療を受けたい、そんなの甘えだと言われるようになるぞ。落ち目の国は嫌だね、ホント。悪い事は言わない、10代、20代の若い人は外国で暮らすことも候補に入れてみることをお勧めします。

技術は正しく使うもの

 

   がん、とくに進行がんになると長期間の入院が必要になる場合が多いし、残念ながらがんのために命を落とす人も多い。私の両親、祖父母は既に全員死亡しているが、6人中4人ががんで死去している。そうであれば、私もがんで死ぬことは十分考えられる。がんの終末期は非常に苦痛がおおきいものだが、兵庫県の芦屋市の市立芦屋病院の緩和ケア病棟では、VRヘッドセットを患者に取り付け、患者が見たくても見ることができない自宅の内部や、庭の草花、愛車の車内や思い出の場所などを見ることができるようにした。何という素晴らしいアイディアだろう。私も3年近く前に母をがんで亡くした。母は口に出して言うことがなかったが、自宅に戻りたかっただろうし、庭には丹精を込めて育てた花があって、「あの花は咲いただろうか」と気になっていただろう。母が生まれた実家周辺、かつて住んだ東京の中目黒、旅行で訪れた土地、もちろん庭の花の写真などを見せたが、VRを使えばあたかもそこにいるかのような綺麗な映像で見せることができたと思う。技術は人を幸せにするために使う、これ以上の正しい技術の使い方はないと思う。

彼に何があったか

   信じがたい事件が起きた。川崎市でスクールバスを待っている児童の列を包丁を持った男が襲い、児童1名と保護者1名が死亡、十数名が怪我をし、襲った男もその場で自殺した。一瞬の出来事だったそうだ。犯人の男はそう遠くないところに住む男で、反抗の様子から相当の計画性と殺意が感じられる。亡くなられた方のご家族、ご友人の皆様には心よりお悔やみ申しあげたい。

   事件から数日経ち、この犯人に関する情報が少しずつ出てきた。彼は小学生の時に両親が離婚し、祖母の家に預けられた。そのの家には叔父夫婦と従兄弟がいた。従兄弟は今回被害にあった児童のいる小学校に通っていたなど、彼と被害者の間にわずかながら接点があることも分かった。そして、彼は小学校、中学校時代は友達と過ごすこともほとんどなく、トラブルメーカー的な存在だったこと、中学校卒業後の進路は誰もわからないこと、数年前に叔父夫婦の家に戻ってくる(祖母はすでに死亡した模様)までどこで何をしていたのかも不明、ここ数年は引きこもりがちで早朝にコンビニの袋を持って帰宅する姿が近所の人に目撃される程度である。携帯電話やスマートフォン、パソコンなどもなく、同居する叔父夫婦ともほぼ同じ屋根の下で関わりは非常に希薄だったと思われる。つまり彼は私たちが当然持っている家族や友人、職場、学校、地域社会などの人と人の繋がりをほぼ持っていなかったことが想像される。凶悪犯であり、同情の余地がない人物であるが、その一点に関してのみ同情というよりは哀れみを感じる。彼が大事に思う人が1人でもいれば今回の犯行はなかったのかもしれない。

井の中の日本人

   最近巷に増えたのは、外国の人に「日本はとてもすごいです」、「日本の人大好きです」などと言わせるテレビ番組や「日本の技術はこんなにすごい」、「日本人はこんなに尊敬されている」などの自画自賛をしている本やネット動画である。だからと言って誤解してほしくないのは、別に私が日本や日本の人が嫌いではないということ、私は戸籍を辿ると江戸時代末に日本に生まれた方に行きつく生粋の日本人だろうし、日本という国の自然や歴史、人が嫌いだというわけではない。しかし、日本人はいつから奥ゆかしさを失い自画自賛が大好きな井の中の蛙になってしまったのだろうか。


   私が思うに、このようなテレビ番組や本、ネット動画が増えたのは21世紀に入った頃ではないかと思う。(あ、ネット動画は昔はなかったですね)バブル崩壊、長引く不景気を経て、日本に住む人の多くが変化を恐れ、将来に希望を持てなくなった時期に合致すると思う。それ以前はむしろ日本人は奥ゆかしかったと思うし、健全は批判もされてきたと思う。落ち目の人が、耳ざわりのいいおべんちゃらに飛びつくのと同じようなものだろう。考えても見ればわかるが、私たちが外国に行ってマイクを向けられれば多少の嘘が混じってもその国の良いところだけを言う人がほとんどだろう。それを真に受け喜んでいたとしたら、日本もずいぶん落ち目になったと思う。

さようなら強さ、ようこそ優しさ

   外国の人が日本に来て驚くのは、日本のドライバーが「俺様病」にかかっていることだそうだ。横断歩道に歩行者がいても止まらない、市街地や住宅街の狭い道でもスピードを出すなど、歩行者の安全よりも自分の都合を優先することである。もちろん、すぐ後ろに別のクルマが迫っている時に横断歩道の手前で止まったら追突される恐れもあるだろうし、大事な用事を抱えて急ぐドライバー心理はわからないでもない。
それでも、ドライバーと歩行者を比較すれば、歩行者が圧倒的に不利な立場にあることは間違いない。

   歩行者は無防備な状態で歩いているのに、ドライバーはクルマという鉄板に囲まれた凶器になりうる機械の中に乗っている。スピードを出すなとは言わない、せめて、横断歩道に歩行者がいれば安全な状態であれば道を譲る、市街地や住宅街では速度を落とす程度の優しさは当然必要になるだろう。最近は「圧倒されるか、圧倒するか」という頭の悪いクルマのCMがあったが、クルマやドライバーに求められるのは強さではなく、優しさだと思う。

母の日に

   明日は母の日、私の母は2016年8月にこの世を去っているから、3度目の母のいない母の日になった。思えば母が生きている間は感謝の言葉を口にすることはあまりなかった。居て当たり前の存在だったし、感謝の気持ちは当然持っていたが、母にそれを伝えることは恥ずかしいというか照れくさいような気持ちがあった。今は感謝の言葉を伝えるすべがなくなってしまった。人間は思っている以上に儚いもの。自分の気持ちを言葉にして伝えることは本当に大切なことだと思う。そのチャンスは今日だけかもしれないし、次に会った時だけかもしれない。

どうする、JR北海道

 

   1987年に国鉄が分割民営化され、JR北海道が誕生した。翌年には青函トンネルが開業した。ちょうどこのころはバブル景気と言われた空前の好景気で、JR北海道はトマムや富良野、ニセコなどへの観光列車を運転したり、上野と札幌を結ぶ寝台特急「北斗星」を運転するなどの積極策に出た。しかし、当時中学生だった私が危惧していたとおり、ほころびはすぐに現れた。バブル景気の終焉、北海道の有力銀行だった北海道拓殖銀行の経営破綻などが続く中、北海道の景気は低迷、客単価の高い、札幌〜函館、札幌〜帯広・釧路を結ぶ特急列車に活路を見出そうとするも、釧路発札幌行きの特急「スーパーおおぞら」が石勝線のトンネル内で火災を起こす事故が発生した。2016年には北海道新幹線新青森〜新函館北斗間が開業したが、函館周辺だけでは需要が低く、札幌まで在来線の特急列車に乗り継ぐと時間がかかりすぎ航空機との競争力に欠けた状態である。
   元はと言えば、1987年の国鉄分割民営化の時に、私が危惧していた通り、北海道は広く、人口が少ない。人口密度で言えば、東京都は1㎢あたり6000人を超えているが、北海道は70人程度にすぎない。鉄道は人や貨物を大量に運べることが最大の強みだが、北海道のような人口密度の低い地域ではそれが足かせになる。その意味では、JR北海道の苦境は、単にJR北海道の経営陣や社員の怠慢だとは思っていない。国鉄の分割民営化自体の無理が現実になっただけだと考えている。

カエルの歌が

   モクレンもサクラも散ったと思ったらハナミズキやフジが咲き出した。田んぼに水が張られたと思ったら、それを待っていたかのようにカエルが鳴き出した。人間の世は何かと慌ただしいが、季節の移り変わりもなかなか慌ただしい。我が家は裏に田んぼがあって、カエルは我が家のアイドルよのうなものである。夜はアマガエルのゲロゲロという鳴き声を聞きながら眠る。リビングの1人がけのソファーに座ると、すぐ傍に小窓にカエルが張り付いていて、その姿を見ながら休日の午後はまどろむこともある。
   そんなカエルだが、カエルを含む両生類は世界的に減少傾向にあるそうだ。 原因はカビなどによる病気の流行や気候や環境の変化。およそ4億年前の古生代デボン紀に生まれた両生類、この危機を乗り切ってほしいと切に願う。

さようなら、クルマ中毒

   最近、高齢者による交通事故のニュースをほぼ毎日耳にするようになった。今月も、東京で高齢の男性が運転するクルマが暴走し、複数の人をはね、このうち自転車に乗った母娘が死亡するという痛ましい事故があった。また、同じ東京で、高齢の女性が運転するクルマが西武新宿線の線路に入り、あわや電車と衝突という事故もあった。
   これに対し、「高齢者から免許を取り上げろ」という声も多い。しかし、高齢者の身体機能や認知機能は非常に個人差が大きく、一律に年齢で区切るのはあまりに乱暴な話である。とはいえ、このまま無為無策では、ますます高齢者は増える一方なので、減少を続けている交通事故の夜死者数が増加に転じることさえあり得るだろう。
まずは、免許制度の改善が必要だろう。現在75歳以上のドライバーが免許更新をするときには認知機能検査を受ける必要があるが、これをもう少し引き下げて、70歳以上にしてもいいと思う。これに加えて、実技試験を加えてもいいと思う。高齢者が増える中、検査官の確保は大変そうだが。
   次に必要なのが、高齢者に優しいクルマにすること。近年ハイブリッド車に多く用いられている小型のチェンジレバーは誤操作を生む要因を持っている。小さくて操作しにくいし、Dレンジに入れてもそこで止まってくれず、中央に戻ってしまう、Dに入っているのか、Rに入っているのか知るには、メーターパネルの小さなランプを見るしかない、しかし、メーターパネルとチェンジレバーの位置は離れている。やはり「見てわかりやすい」ことは大切だと思う。ペダルについてもそうで、アクセルとブレーキという全く違う働きをするペダルが踏み込むという同じ動きで作動するというところに潜在的なリスクがあるが、それに加えて、近年は車内を広くするためにペダルが前寄りに設置されるクルマが多くなってきた、そうなると、ドライバーの右前方にはタイヤがあるから、それと干渉を避けるためにアクセルペダルがやや左寄りに付いているクルマが見られるようになった。これも誤操作を招く危険性がある。人間はミスをする生き物だ、アクセルとブレーキの踏み間違いは高齢者に限らず若い人にも起こりうる、ある程度以上の力でアクセルペダルを踏み続けた場合、異常な操作として無効にするシステムがあってもいいのかもしれない。ゼロヨンなどをやっている人からは文句が出そうだが。
   私たちが出来る対策もある。クルマは高齢者にとってこそ便利な道具だ、高齢になれば足腰にガタがくる、そういう人にとってクルマは歩かずに目的地に行ける魔法のじゅうたんのような存在である。地方に行けばわずか数百mのコンビニに行くのにさえクルマを使う人が多い。いわばクルマ中毒である。若くて元気なうちから、歩いたり、自転車に乗ったり、バスや電車を使ったりすることで必要以上にクルマに依存しない生活を送ることが必要だと思う。そうすれば認知機能や身体機能が落ちた時クルマの運転をやめる決断がいくらかでもしやすくなるだろう。

あの日の桜

331cd8e24dc24c0797816918735fbe55 207fb36301b249b58437e72fad5bd834     昨日、福島県三春町の滝桜を見に行った。滝桜は、樹齢1000年以上と言われる巨木で、福島県内はもとより、全国から人が集まる名所になっている。昨日は満開でたくさんの人が訪れていた。私達は寒さを我慢しながら夕方から夜にかけて暮れゆく空の下、ライトアップされて姿を変えていく滝桜の様子を楽しんだ。

   滝桜を見ながら、8年前の春を思い出した。2011年4月、東日本大震災と東京電力福島第1原発の事故が起きてから1月半が過ぎて、当時住んでいた郡山市でもようやくガソリンが手に入るようになった。私は土曜の夕方、ふと思い立って滝桜を見に行った、昨日と同じように満開だったが、ひとつ違うのは、滝桜を見ていたのは私1人だけで、他には人の気配がなかったことだ。寒々しい光景だった。あれから8年、滝桜を見るたびにあの日の光景を忘れてはいけないと思う。

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