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美麗之島~台湾紀行 その4

【12月30日 ② 基隆・北部海岸・台北の夜】

 台北駅は巨大な建物だ。線路は地下を走っているので、博物館か記念館に見える。窓口に「電車 基隆」と書いた紙を差し出し、指で「2」と示すとたちまち切符が出てきた。地下のプラットホームに降りるとダイヤが乱れているようで、しばらく待つことになりそうだ。今日は朝から歩きどおしで疲れていたのでベンチに座る。隣に座っている女の子が教科書を広げて一所懸命に勉強している。横から覗いてみると「五代十国」と書かれているから歴史の教科書であろう。
 遅れていた電車がやってきた。シルバーのボディにブルーのラインが入った電車だ。雰囲気は日本の電車に近いが、窓がやや小さいこととシートがビニール張りであることが違う。次の松山駅から地上に出て台北の郊外を走る。日本と違って、一戸建て志向がないのだろうか、アパートが続いている。だんだん山が迫ってきてくる。台北は盆地の中の町である。ちょっとした山を越えると基隆は近い。基隆も両側が山に囲まれて坂の多い町だ。いつのまにか雨が降り出した。


 雨降りの基隆駅に降り立った。港町らしい風情があるというこの町をゆっくり歩こうと思っていたが、この雨ではどうしようもない。とりあえず近場ということで港に向かって歩き出したが、ずぶぬれになりそうで少し眺めただけで引き返す。どうしたものかと相棒と相談しているうちに、基隆から淡水という町まで台湾の北部海岸を走るバスがあることを思い出した。駅前の観光案内所に行って淡水行きのバス乗り場を英語で尋ねると日本語で答えが返ってきた。案外日本語が通じるものだ。
 間もなくバスがやってきた。運転手に英語で料金を聞いたが、私たちの発音が悪かったのかうまく通じなかったが、指で「1」「5」「0」とサインしてくれた。2人分なのでNT(台湾の通貨、新台幣とも言う)300を運転手に渡す。
 バスは基隆駅を発車すると、すぐに急な坂道を登り始める。振り向けば基隆港がだんだん小さくなる。崖にへばりつくように建物が軒を接するように建っている。私は3年半前に訪れた長崎の風景を思い出す。しばらく山を越える。バスの運転は日本と比べるとやや荒い。発進や停止が急だ。それが気にならないくらい車窓が変化に富んでいて面白い。せっかくの景色だが相棒は気持ちよさそうな寝息を立てている。テレサ=テンの墓地があるという金山から海岸線に出る。台湾近郊のリゾート地になっているのだろう。日本で言う民宿のような建物やレストランが並んでいる。だんだん日が暮れてきた。もう少し明るければ言うことないのだが。夕方の海岸は寂しげだ。やがて、完全に暗くなり、バスは闇の中を走る。相棒はやっと目を覚ます。
 やがてにわかに車窓に明かりが増えた。淡水の町に入ったようだ。それまでが寂しい海岸が続いていたから、高層マンションの明かりやお店の看板がやたらまぶしく、別世界に来たようだ。

 
 終点の捷運(地下鉄)淡水駅前でバスを降り、捷運で士林夜市に行く。台北にいくつかある夜市のなかで、ここが一番規模が大きいとされる。夜市は八角(中華料理でよく使われるスパイス)と臭豆腐(豆腐を発酵させた食品らしいです)の匂いとたくさんの人々の熱気が満ちていた。これは面白いぞと思った。いろいろな屋台を物色しながら歩くのは楽しい。私達は魯肉飯(豚の細切れ肉を醤油やスパイスで煮込んでご飯にかけた料理)と排骨(豚のスペアリブ)のスープをいただいた。台湾料理は独特のスパイスが苦手だという人もいるが、私はとても美味しくてたちまち平らげてしまった。

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