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美麗之島~台湾紀行 その7

【1月1日 ② 高雄にて】

 高雄駅前は混雑していた。今日のホテルは未定であるが、駅前ではなく、市街地西側の愛河以西で探してみようと思う。タクシーに乗り、地図で場所を指し示す。タクシーは高雄の市街地を走る。運転手が少し日本語を話せるので、ホテルのここと高雄の美味しいものについて話を聞く。結局、愛河から少し離れた小さなホテルに泊まることにした。フロントに行って2泊止まりたい旨を話すが、うまく伝わらない。私の英会話の腕前はかなりお粗末なものだ。筆談も交えてやっと通じ、部屋に行く。どちらかといえば安いホテルであるが、部屋は広く、少し高級感のあるインテリアだった。しばらくベットの上で横になる。

 夕方近くなり、ホテルを出て旗津半島に向かう。しばらく、住宅地と工業地が混じったようなところを歩き、貨物列車用の線路を渡るとフェリー乗り場がある。NT$10を払ってフェリーに乗ると、正面に夕日を背景に旗津半島がシルエットになっている。後ろには高雄の町並みに明かりがともり始めていた。どちらも息を呑むような美しさだ。
 10分ほどで旗津半島に着く。しばらく屋台の続く通りを歩くと海岸に出る。台湾海峡だ。すっかり暗くなっているが、波打ち際まで行ってみる。この海峡は、かつて台湾と中国が戦争の一歩手前まで行ったことがある。今日の様子を見れば、海鮮料理を味わっている家族連れや、海を眺めているカップル、そして、そんな人々の様子を見ている異国からの旅人である私など、平和そのものの風景である。この平和な風景が幻ではありませんように、そう心に強く願った。
 海鮮料理の店に入る。魚の種類を選ぶと、お店のほうで調理してくれるシステムのようだ。私は、白身の魚とつぶ貝のような貝を選んだ。それと、ビールが飲みたい。店内を見回すと、ビールを飲んでいるお客はいない。そういえば今までも食事のときにお酒を飲んでいる台湾の人はほとんど見かけなかった。ウエイターを呼んで
「ビーチュ」というと、通じたようで、店の奥にある冷蔵庫を指差して、あれか?と聞く。そうだと頷くとビールが出てきた。料理のほうもすぐに出てきた。つぶ貝のほうは、野菜といためてあった。白身の魚かと思ったのは、イカで、フリッターになって出てきた。台湾に来て感心することは、油を使った料理にもかかわらずしつこくないことだ、どちらも美味しくいただいた。
 
 軽く酔いがまわり、いい気分でフェリー乗り場に戻る。フェリー乗り場には長い行列ができていた。そのとなりに、漁船のような小さな船があって、おじさんが客寄せをしていた。並ぶのが面倒だったので、それに乗る。私のすぐ近くに高校生くらいの女の子3人が立っていた。大きな声で話している。中国語はわからないが、水に飛び込む真似をしているから、英語で、「誰か向こう岸まで泳いでいこうよ」と声をかけてみた。向こうにうまく通じたようで、クスクスと笑っていた。フェリーを降りて、バスに乗って戻ろうと思ったが、さっぱりバス停が見当たらない、さっきの女の子達に聞いてみると「私たちについてきて」と言う。そのとうりついていくと、バス停があった。バス代を払おうとすると、私たちが払うと言う。せっかくなので彼女達の好意に甘えることにする。バスの中で彼女たちと話をする。高校生だと思っていたら、大学生で、台北の大学に通っているという、今日は学校が休みなので高雄に遊びに来たそうだ。この後コーヒーでもおごろうかと思っていたが、今日中に台北に帰らなければならないということで残念だが、3人の写真を撮って別れる。
 彼女達と別れて、高雄の町をぶらぶら歩く。愛河のまわりは公園が整備されていて気持ちよく歩くことができた。今日の午後高雄の町を始めてみたときには殺風景な町だと思ったが、だんだんこの町が好きになってきた。

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