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合掌造りと立山黒部アルペンルート その4

【乗り継ぎ乗り換え、黒部ダムに至る 5月4日(下)】

 室堂ターミナルの外に出てみる。立山の山頂(3015メートル)が、すぐ手が届きそうなところにある。空の色が青い、宇宙に届きそうな空である。思ったほどは寒くない。再びターミナルに戻り、ここからトロリーバスに乗る。トロリーバスとは、ディーゼルエンジンの変わりに、トンネルの天井に架線を張り、パンタグラフで集電して、モーターで走るものである。かつては東京や川崎でも走っていた。電車とバスの中間のような乗り物だ。発車すると、狭いトンネルを猛然と走り出す。バスが1台やっと通れるくらいの道幅だが、運転手はよほど慣れているのであろう、こともなげに走っていく。大観峰までおよそ7分。

 大観峰ターミナルは、立山から黒部渓谷まで一直線に落ちていく急斜面の途中にある。よくこんなところに作ったと思う。資材はヘリコプターで運んだのだろうか?これが作られたのは昭和40年代、日本が勢いのあるころだった。今だったらこのような計画を実現するだけの元気があるのだろうか?それにしても絶景である。後ろには立山、前には、黒部ダム、その向こうには針の木岳、いずれも雪をかぶっている。

 ここから黒部平までのロープウエィは、他の乗り物に比べて定員が少ないためだろう、しばらく待たされる。ここまできたら急いでもしょうがない。じっくり待つ。30分くらいだろうか、満員のロープウエイに乗り込む。ぐんぐん高度を下げる。10分ほどで黒部平に着く。ここは、ちいさな山の山頂になっている。すぐにケーブルカーに乗り換え、黒部湖に着く。駅は地下になっているが、トンネルを抜けるとする黒部ダムになる。

 黒部ダムは、昭和31年から7年の歳月をかけて作られ、貯水量2億立方メートル、想像を絶する規模である。このダムの建設に数々の困難が会ったことは、NHKの「プロジェクトX」や、映画「黒部の太陽」(主演、石原裕次郎)などでご存知の方も多いだろう。この下流にある黒部川第四発電所は、100万世帯分の電力を起こすことができるそうだ。とにかく、高度成長期の日本の発展のために、命をかけて建設に当たった人たちの苦労が偲ばれる。いまは、湖の湖面は低く、凍結している。これが、6月になれば雪も融けて、観光客向けに法数するくらいの余力になる。この雪があるからこそできることなのだ。

 私達はここから引き返す。帰りのロープウエィは、黒部平駅で2時間くらい待たされた。室堂では、展示館を見て、雷鳥の生態について知ることができた。立山近くの駅近くの温泉に入り、すっかり暗くなるころ、福島に向かって走り出した。あと12時間、明日の早朝には福島に着くだろう。

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