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雨と風と虹~山形紀行 ④

【旅の終わりは虹色で 10月8日】

 10月8日(日)、今日は慌しい。自宅に15時30分頃には戻らなければならない。時間を逆算しながら行動しなければならない。ホテルのレストランで和朝食を食べながら今日の日程を検討した。第1案は、山形市の南隣にある上山の城下町を歩き、上山市内にある温泉に入る。だだしこの案を実行するには、雨が降っていないことが望ましい。第2案は、さらに南の南陽市にある赤湯駅から出ているフラワー長井線の列車に乗ることである。これなら雨が振っていても楽しめる。第3案は山形城址や、その近くにある博物館を見ることである。ホテルでゆっくりできることが魅力だ。昨日の疲れが残っていれば第3案が無難だが、幸い、体調は絶好調である。ただし、雨はいつ降ってもおかしくない天気である。そうなると、おのずと第2案が優勢になってくる。ホテルのフロントの近くに自由に使えるパソコンが置いてあるので、赤湯駅の発車時刻を調べると、8時1分の列車がある。次の10時分だと終点の荒砥を往復して、それから自宅へ帰るとタイムリミットの15時30分を軽々と越えてしまう。現在の時刻は7時45分、赤湯駅までは30キロ少々あるから時間的にはやや際どくなってきた。

 結局ホテルを出たのは7時55分頃、山形駅の南側で山形新幹線・奥羽本線のガードを越えたのが8時少し過ぎ、東京行きの「つばさ号」がちょうど走り去っていった。今日は定時で運行されていると良いが。
 恐れていた山形市内の渋滞はさほどではなく、市街地の南部にある桜田から13号線バイパスに乗ると、70~80㎞でクルマが流れている。右側に上山市街地が見えてのが8時20分過ぎ、ここまでで8時30分をすぎてしまうと厳しいなと思っていたから、ずいぶん順調に走れたことになる。上山市街地を抜けると旧国道と合流する。まもなく山形新幹線・奥羽本線と併走するようになり、2両編成の電車が私のクルマを追い抜いていった・電車が羽前中山駅に停車している間に、私のクルマが先行し、次の中川駅まで辛くもリードを守った。この分なら赤湯駅には私のクルマが先に着くかなと思ったが、赤湯駅は国道から離れた場所にあり私のクルマが駅前に着いたのは、8時40分少し過ぎだった。電車は米沢に向かってちょうど出発したところだった。
 
 これまでの経験から、山形県藍の主要駅には駅利用者のための駐車場が整備されていることが多かった。赤湯駅にも駐車場はあったが、満車であった。近くに駐車場はないかと探したが見つからなかった。せっかく発車時刻に十分な余裕があるにもかかわらず、駐車場がないことであきらめるのは残念だが、このご時世路上駐車はできない。あきらめ半分で地図を見ると、フラワー長井線の最初の駅は南陽市役所と言う駅がある。ほとんど市役所の脇という場所である。市役所なら休日駐車場を解放しているかもしれない。始発から乗れないのは残念だが、赤湯駅から南陽市役所駅までは1㎞程度、十分次善の策と言えるであろう。予想していた通り、南陽市役所の駐車場は開放されていた。小さな駅もすぐそばにある。3両編成くらいの列車が入ればいっぱいになってしまう短いプラットホームと小さな待合室があるだけのかわいい駅だった。まだ8時50分、列車が来るまで10分以上あるが、プラットホームに上がって待つことにする。市役所の周りは田んぼと住宅地。南陽市は赤湯と宮内の2つの市街地があり、その中間であるこの場所に市役所を建てたのであろう。西側には山並みが見える。その山並みのほうに見事な虹がかかっていた。久しぶりに見る虹は本当に美しかった。10分近く虹に見とれていた。

 やがて、赤湯駅からの列車がやってきた。1両のディーゼルカーである。ローカル線にしては悪くない乗車率で、半分近くの座席が埋まっていた。列車はりんご畑、ラ・フランス畑、ブドウ畑と、色々な果物畑の間を走る、そして、こまめに駅が設けられており、そのたびに何人かの人が乗り降りする。列車の速度は速くないが、そののんびりさが心地よい。やがて左側からもう1本線路が近づくと今泉駅、小さいながらも、JR米坂線(米沢~今泉~坂町・・・新潟県、村上の近くにある)との乗り換えである。小さな駅が乗り換えのお客で少しだけにぎわう。
 今泉を出発すると田んぼの中を走る。途中の長井は路線名にもなった町で、ここを過ぎると車内はがらがらになる。最上川の鉄橋を渡るとまもなく終点の荒砥、今日も最上川は増水していた。
 荒砥は白鷹町の中心部の集落の名前である。町の北には白鷹山という山がある。駅舎は、地元の人たちの集会所としても使われている。規模に小さい会社だけに、地域とのつながりを大切にしている。駅の中には、地元の人の絵画や陶芸の作品が展示されていた。最近、私は陶磁器に興味が出てきたので、とても面白かった。それでもまだ時間があったので小雨降る駅の周辺を散歩した。和菓子屋さんがあったので饅頭を買う。家に帰ってから食べてみたら、餡の甘さがちょうどよく美味しい饅頭だった。

 雨が強くなってきた。帰りの列車が今泉に着くと、JR米坂線が運転を見合わせるとの放送があった。ここから福島県に帰るには、国道13号線の栗子峠、国道121号線の大峠、いずれにせよ道は険しい。閉鎖されないうちに帰りたい。
 南陽市役所駅で列車を降り、13号線を米沢に向かう。ちょうどお昼時だが、先を急ぎたいので米沢牛は駅弁で済ますことにする、とはいえ米沢の駅弁はなかなかおいしい。いくつかある駅弁から「牛肉どまんなか」を選ぶ。
 幸い、雨はやんできた、国道13号線も問題なく通ることができた。長い西栗子トンネルをこえ、栗子国際スキー場が見えてくると間もなく福島県にはいる。私の旅は間もなく終わる。

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コメント

おいしい空気と、おいしい食べ物、おいしいお酒、人との出会い。。。

ステキな旅ですね!

帰ってきてから、お疲れが出ませんように・・・

うさ

 本当にいい旅でしたよ。山形は一見地味に見えますが味わい深い県でした。

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