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東京散歩~隅田川に沿って③

【3 浅草・向島】

2004年7月3日、両国駅。少し蒸し暑い。今日はここから浅草方面を目指すことにする。両国駅から国技館の前を通る。今日は大相撲開催中ではないため、国技館の中はまったく人の気配がない。せめて、相撲博物館だけでも見ようと思ったが、ここも閉まっていた。安田庭園は小規模な庭園であるが、隣にある丸いドームの両国公会堂がすっかり庭園の雰囲気の中に溶け込んでいて、好ましい景観になっている。この公園の池は汐入の池であり、隅田川から水を引いていた。川の水の状態が近くの庭園の風景まで左右するのだ。

 安田公園からすぐに横網町公園に着く。ここは、もと陸軍被服廠跡である。関東大震災のころにはここは空き地になっていて、地震により発生した火災から避難した人がここにたくさん集まったが、火災はここまで焼け広がり、多くの人が亡くなったそうだ。今は、関東大震災と東京大空襲の慰霊堂がある。筆舌にあらわしきれぬ恐怖を味わった人々の気持ちを察しながら手を合わせる。公園の一隅には資料館もあり、ひしゃげた自転車のフレームや溶解して原形をとどめないコインなど、災害の恐ろしさを感じた。

 横網町公園を出て、隅田川沿いに歩く。対岸のビル群は、少し低くなってきたようだ。頭上には首都高速6号線の高架橋がある。うっとうしいが、今日は蒸し暑いので日差しを遮ってくれるだけでもありがたい。ここにもいくつものダンボールハウスがある。観察してみると、角材でしっかりと骨組みを作ったダンボールハウスもある。ここでの生活もかなり長期化しているのだろうか。自転車があったり、ラジオがあったり、洗濯物が干してあったりと生活の香りが色濃くなっている。
吾妻橋は赤く塗られていて、遠くからでもよく目立つ橋である。その近くには、金色のオブジェをてっぺんに載せた吾妻橋ホールがある。本当は何をかたどったのかは私にはよくわからないが、浅草の名物といえるだろう。今日は、だいぶ汗をかいてのども渇いてきたので、ここで小休止することにする。
吾妻橋ホールの隣のアサヒビールビルに上って、最上階のトイレからは、例のオブジェと両国方面の景色がよく見える。ビールが飲める店が開いていたので、昼間からビールを楽しむことにする。窓の外には、東武鉄道伊勢崎線鉄橋が見える。鉄橋の前後がカーブになっていて、とくに浅草駅側はかなりの急カーブである。鉄橋を渡る電車はそろりそろりと這うような速度ですすんでいく。
そのうち、隅田川には水上バスがやってくる。これは面白い。昼間のビールは心地よく身体に染み渡り気持ちよくなってくる。このままずっと座っていたい気がする。

 いつまでもこうしているわけにもいかないので、先へすすむことにする。隅田公園を通って、国道6号線(水戸街道)に出る。ここから東向島まではたいした距離ではないが、蒸し暑いため、だんだん歩くのが億劫になる。しかも、車がたくさん走る国道など選ぶのだからなおさらである。東向島駅には、東武博物館が併設されている。かつて日光行きの特急列車に使用された車両などが展示されている。ここは子供連れの家族がたくさん来ていて、トレインシュミレーターなどに行列を作っていた。いつの時代でも男の子は乗り物好きが多い。展示内容は大いに興味があったが、私はこの場所に似つかわしくないような気がしてきた。

 東武鉄道で浅草に戻った。地下鉄浅草駅からな細くて古びた地下街が延びている。なんだか時代が戻ったかのような地下街である。ラーメン屋に入り、冷やし中華を食べていると、隣に座ったおじいさんが話しかけてきた。カメラが好きだそうで、私が持っていたデジタルカメラに興味を示していた。しばらくカメラ談義に熱中した。いつまでも好きなものがあるのは元気の秘訣なのだろう。どうか、いつまでもお元気で。(終)

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