12年目の北海道①
今回も私の過去の旅行記です。2005年の夏、北海道に行ってきましたその時の旅行記です。どうぞお楽しみください。
【1 12年目の旅立ち】
2005年7月30日(土)、私の住む街は夕方から激しい雷雨に見舞われた。私は、予定より1本早いバスに乗った。バスに乗って、窓の外を眺めているうちに、大切なことに気がついた。私にとって、初めての一人旅は、ちょうど12年前の今頃であることを。
日通のアルバイトでためたお金と、たくさんの期待感をポケットに、仙台から普通列車を乗り継いではじめての一人旅に出た。一ノ関、盛岡、青森と乗り継いで、青函トンネルをくぐり、初めての北海道を目にしたときの興奮した気持ちを今でも昨日のように覚えている。その後、函館、大沼公園、小樽、札幌と回った。ユースホステルに泊まり、同宿の人と楽しいふれあいもあった。初めての北海道では、私にとってとても優しかった。
一人旅を始めて12年、21歳だった私は33歳になった。普通列車でどこまでも行っていた私が、飛行機や新幹線、寝台特急を使える身分になった、しかし、そんな表面的なことを抜きにすれば、12年前とあまり変わらない自分がいると思う。12年、ちょうど節目の年に意識せず、同じ北海道を行き先に選んだことは、決して偶然ではないだろう。
駅に行ってみたら、案の定、栃木県内の大雨のため東北本線の列車が運転を見合わせていますということであった。早めにホームに入り、ベンチに座って列車を待つことにする。20時過ぎの駅はまだ帰宅を急ぐ人で混み合っていた。
いつの間にか雨もやんで涼しい風が吹き始めた。そうしているうちに、寝台特急「北斗星81号」は、およそ1時間20分遅れで、21時25分ごろ赤い電気機関車を先頭に郡山駅のホームにはいってきた。B寝台上段に荷物を置くと、さっそく食堂車へ。サッポロクラシックと北海道ソーセージの盛り合わせを注文する。二本松、福島・・・見慣れた町の風景が今日は特別に見える。
食堂車の隣には、ロビーカーがあり、ソファーが並んでおり、車窓を眺めながらゆっくりとくつろぐことができる。私の寝台車が上段で、ほとんど外が見えないし、はしごの上り下りでほかの乗客に迷惑をかけるといけないので、就寝までここで過ごすことにする。岩沼、名取、だんだん仙台が近づいてきた。仙台は19歳から23歳までの時期を過ごした町で、いまでも特別な思い入れがある。23時過ぎの仙台駅は人影もまばらだった。仙台発車を機に寝台車に戻ることにする。
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