人気ブログランキング 大阪・京都・神戸 私の三都物語 ⑨: やえもんのひだまりカフェ
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大阪・京都・神戸 私の三都物語 ⑨

【9 上町台地を行く 12月31日】

 世界を見渡してみると、どんなに時代が変わっても政治・経済上重要であり続ける栃がある。例えばトルコのイスタンブールはローマの時代からアジアとヨーロッパをつなぐ重要な土地であり、ローマ帝国(ビザンツ帝国)が1000年以上にわたって都をおいた。中国の洛陽は東周の時代以来、2800年の歴史を誇る都市で、地図を見れば明らかなように、山岳部と中原(中国北部から中部の沿岸地方の平野部)の境で、黄河が流れ重要な土地である。日本で言えば大阪がこの条件に適するだろう。西に瀬戸内海、東に淀川や大和川を経て京都・奈良に通じる。日本の都市としては第一級の立地条件である。その心臓部であるのが上町台地である。大阪城から天王寺を経て住吉大社に続くなだらかな丘陵である。今日はその上町台地を歩いてみたい。

 梅田のホテルで4度目の朝を迎えた。同じホテルに4泊もするのは始めてである。もう、すっかりマイルームと化して、ガイドブックはここ、洗面用具はここと物の置き場が決まっている。のんびり朝のニュースを見て、8時過ぎに朝食のバイキングに行く。毎日朝早く出発していたから、今日くらいは朝はのんびりとしたい。9時少し前にホテルを出ると風が冷たい。この旅行の前半は暖かかったが、すっかり冬らしくなった。今日福島に帰るが、福島は大雪の予報が出ている。

 すっかりおなじみになった天満橋駅で地下鉄を降り、コートの襟を立てて大阪城に向かう。大阪城の緑の向こうには大阪ビジネスパークの高層ビルが見える。高さがまちまちではなく、大体そろっているから美しく見える。現在ある大阪城は大阪夏の陣で落城した後、将軍徳川秀忠によって再建されたものである。秀吉の大阪城は現在の大阪城の地下に埋もれている。それ以前は浄土真宗の総本山の石山本願寺があり、寺内町を形成していた。この寺内町が「小坂」であり、それが「大坂」→「大阪」となり現在に至っている。寒いが、大阪城の堀に沿って歩道があり、ジョギングをしている人がいる。私は大阪城内に入る。天守閣は今日は開いていないが、この立派な天守閣と石垣を見るだけでも十分満足する。大阪城の立地条件は最高である。東と北は大川、寝屋川、平野川が流れ、天然の堀になっている。西側は急な坂である。弱点は南側だけである。さすがの家康もこの城を落とすのにはそうとう苦戦した。
 
大阪城を出ると、南側に大きな通りがある。大阪市を東西に貫く中央大通である。高架で阪神高速東大阪線、地下には地下鉄中央線が走っている。この通りを東にJR森ノ宮駅方面に歩いても、西側に本町・弁天町方面に歩いても急な下り坂になっており、上町台地が周囲とかなりの標高差があることがわかる。大阪城から中央大通をはさんで南側には、難波宮跡がある。645年、大化の改新の際に中大兄皇子(天智天皇)によって都が作られた。その後藤原京、平城京を経て、744年聖武天皇によって再び都が置かれた。今は広い公園になっていて、当時の建物の基礎部分だけが残っている。近くには大阪府庁をはじめとする官庁街があり、1400年近くにわたって上町台地北端のこの地が大阪の心臓部であったことを実感する。坂道を登ったり降りたりしたからうっすらと汗をかく。コートを脱いだ。北風がセーターのすき間から身体を冷やす。これがとても心地よい。

近くの谷町四丁目駅から地下鉄谷町線に乗り、3つ先の四天王寺前で降りる。こんどは、聖徳太子が建てた四天王寺を見に行く。駅前の雰囲気が、官庁街の谷町地4丁目駅とは違って、下町的な商店街である。四天王寺の仁王門、五重塔、金堂、講堂などの主要な建物は、戦後の再建された鉄筋コンクリート作りである。少々残念であるが、当時の姿をいくらかでも伝えているのであればよしとしなければならないか。日本は木造建築物が多く貴重な文化遺産が戦火や火災で度々失われている。ここから天王寺駅に向かってなだらかに坂を下っていく。

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