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みちのおくへ~下北・津軽紀行 ①

【① 大湊まで 8月7日】

 東北新幹線「はやて7号」は仙台を発車すると軽々と加速していく。仙台市街を抜け、利府の新幹線の車両基地を右に見ながら緩やかにカーブを切ると古川駅の直前まで一直線に丘陵地帯を突っ切っていく。一ノ関、北上をあっという間に通過すると仙台駅からわずか44分で盛岡駅に着く。盛岡駅で4分停車中に秋田行きの「こまち1号」が先に発車した。「はやて1号」は、乗客が少しへって身軽になり八戸を目指す。盛岡を過ぎると右側に姫神山が見えてくる。北上山地の中では早池峰山についで目立つ山である。15年前、はじめての一人旅のときに、盛岡から八戸に行く普通列車の中で乗り合わせたおじいさんがいろんなことを教えてくれた、そのときにこの山のことも教えてくれたことを思い出す。
 列車はいわて沼宮内駅に着く。小さな町であるが、かつてはここから奥中山駅にかけては東北本線有数の急勾配の難所であった。新幹線は軽々と坂を上っていく。「はやて号」は盛岡以南は270km./h、盛岡以北も260km./hの高速で走り、鉄道の難所も昔話にしてしまった。
 八戸着10時3分、八戸からの「きらきらみちのく下北号」は11時19分発なので少し時間がある。まだ新しい駅ビルを歩いたり、駅に隣接するビルに展示されている八戸三社祭の山車を見たりした。人形が満載になった楽しそうな山車であった。
 「きらきらみちのく下北号」は、3両編成で、1号車と3号車が窓側にシートを向けることのできるリクライニングシート、私の乗る2号車が畳敷きのボックスシートになっている。発車間際に私より多少若い男女が私と同じボックスに座った。なんだか2人の恋の行方を邪魔するような無粋な男になってしまったようだ。
 ディーゼルエンジンの唸りとともに八戸駅を発車する。快速列車であるが、時刻表では通過となっている駅にも停車しながらのんびりと進む。野辺地からは大湊線に入る。すると景色が一変した。左手には陸奥湾、右手には低木の生える荒涼とした丘陵地帯となる。海沿いで風が強いことと、夏でも気温が上がらないことがこのような景色を生んだのであろう。
 原子力施設のある六ヶ所村の入り口である陸奥横浜を過ぎると目の前に下北半島で最も高い釜臥山(恐山)が見えてきた。いつの間にか向かいに座っていた男性がいない。車内で仲違いした様子はないし、どうしたのだろうと思っていたら、袈裟を着て戻ってきた。お坊さんだったのか、道理で髪を丸刈りにしていたわけだ。よく見れば女性、もう奥さんと言い切っても良さそうだが、お腹が大きくなっていた。お坊さんと妊婦さんと同じボックスで旅をしてきたのだから、私のも何かいいことがありそうだ。
 二人は終点の1つ手前の下北で降りた。むつ市の市街地である田名部はこちらが近い。私は終点の大湊まで乗る。目の前に釜臥山がどんどん迫ってくる。左に急カーブを切ると終点の大湊、明治時代以来の軍港であるが、駅と軍港は離れているようで、護衛艦でも見えないかと探したが見えなかった。

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コメント

夏休みの旅行ですね。
電車の中っていろいろドラマが見えますよね。
というか勝手にドラマを作って「あの人はこうだろう」とか想像して楽しむのですが。
でもこれは人との交差を感じられるもののひとつだと思います。
続き、楽しみにしています!

まっきーさん

 旅の大きな楽しみは人との出会いですよね。今回の旅でも色々な出会いがありました。平板な事実の羅列にならないように読んで楽しい旅行記を目指します。

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