岬めぐりの銚子電鉄 4
3 銚子~海鹿島…西海鹿島~外川
銚子から再び外川行きの電車に乗る。すでにお昼近くだが、犬吠埼を目指す観光客の数は多い。今度は海鹿島駅で降りる。周囲は住宅地とキャベツ畑である。この駅は関東で最も東にある駅である。次の電車がおよそ30分後なので間が持たないので、1つ手前の西海鹿島駅まで歩く。それでも次の電車まで15分くらい時間があったので、狭い西海鹿島駅のホームにあるベンチに座ってうとうとする。いつもならこんなときには径庭電話でウエブにつないでニュースのチェックなどを行うのだが、キャベツ畑の中のあまりにものどかな海鹿島駅にそんな行動は似合わない。15分があっという間に過ぎた。世の中便利になったが、この「のんびりした時間」は何物にも代えがたいものであろう。
今度は終点の外川駅を目指す。犬吠駅で半分以上のお客が降り、今日始めて座席にありつく。だが、2分ほどで終点の外川だ。この駅は今回で3回目だが、来るたびいいなぁと思う。古いのである、これがまた良い。安っぽいレトロ調などではない。長年潮風を浴び、人の手垢がついた古さなので。手書きの発車時刻表、木造の駅舎、古風な出札窓口、すべてがいい感じなのだ。この駅舎は、おそらく1923年(大正12年)の開業時から使われているのであろう。
外川は坂の多い漁港の町だ。細い道を降りて漁港まで行く。漁港では漁船が気持ち良さそうにゆらゆなと波に揺られて昼寝をしてきた。私はしばらく漁港の町を歩いて、寿司屋に入った。寿司もうまかったが、このあたりの名物なのであろう、甘くてつるっとした食感の伊達巻がとくにうまかった。
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