北海道の歴史を歩く 1
【8月6日 千歳空港・勇払平野を走る】
福島空港を離陸したボーイング737は力強く上昇を続け、厚い雲を軽々と突き破った。窓側の席を2ヶ月も前に予約していた私は、飛行機から地上を眺めることができないことは少々不満だが、久しぶりの旅行なので気分は上々だ。夏休みの観光シーズンに入り、126人乗りの機内はほぼ満席だった。
山形、花巻上空を通って、今頃は北海道に向けて太平洋上を飛んでいるのだが一向に雲が切れる様子がない。今朝は午前2時に起きて済ませる用事があったので寝不足であった。しばらくうとうとする。機体が降下を始めるとようやく雲が切れてきた。目の前には苫小牧の市街と広々とした緑色の勇払平野が広がっている。およそ2年半ぶりの北海道である。
預けていた荷物を引き取ると、スーツケースを引っ張って広い千歳空港のターミナルビルを歩き、レンタカーのカウンターに行く。駅でレンタカーを借りる場合には、駅前に事務所があり、ここで免許証などを提示すれば鍵を受け取りそのまま出発となるのだが、ここではお客が何人か集まったところでバスに案内され千歳市内にある営業所まで運ばれ、そこで受付となる。飛行機が着いたのが11時20分だから、12時前には空港を出発できると思っていたが、実際に私がシルバーのスズキ・ワゴンRでレンタカーの営業所を出発したのは13時近かった。
レンタカーは18時30分まで借りているが、今日はこれから平取町(日高支庁)まで往復およそ140km.走る予定だから少々慌しいことになった。すでに空腹だが、昼食を車内でとることにした、また苫小牧まで一般道で行こうと思っていたが、ここも高速道経由に変更した。千歳市内のコンビニに立ち寄りサンドイッチと缶コーヒーを購入する。北海道で最初の食事がこれでは少々貧相だが私は時間が何より気になる性格なのでこれでよしとする。
千歳インターから道央自動車道に入る。軽自動車で高速道路っていったいどうなのよと思っていたが、加速こそややかったるいが車内に入ってくる騒音はそれほどでもない。今の技術はたいしたものである。次の苫小牧東ジャンクションから日高自動車道に入る。苫小牧の郊外の住宅地を抜けると、平地の樹林の中をひたすら走るようになる。高架で高速道路、地平には国道236号線、高速道路の交通量は少ないし、ひたすらまっすぐである。日本離れした広々とした中を走る。しかも青空、福島ではずっと雨か曇りが続いていたからひたすら気持ちがいい。運転しながら頬張るコンビニのサンドイッチの味も格別なものに思えてくる。
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