取り組みは序の口から序二段へと進んでいく。少し変わったなと思ったのは。立会いなどの所作が美しくなってきたこと。単に強さを競うだけの格闘技ではなく、所作の美しさ、これが相撲の魅力だと思う。
少し席を外して国技館内にある相撲博物館に行く。ここには、企画展として「平成の四横綱展」が行われていた・平成2~3年の千代の富士、北勝海、大乃国、旭富士。平成11年~12年の曙、貴乃花、若乃花、武蔵丸。いずれも実力のある横綱が並び立ち。非常に相撲が盛り上がった時代であった。化粧回しや写真などを見て歩いた。
売店で相撲グッズや飲み物、弁当を買う。弁当は朝青龍弁当や白鵬弁当などが合った。私は琴欧洲弁当を買った。琴欧州の好物である豚の生姜焼きや鶏の照り焼きが入っていた。とくに鶏そぼろ飯がいい味だった。

弁当を食べながら三段目の取り組みを見て、ちゃんこ屋台の開店にあわせてちゃんこを食べに行った。玉ノ井部屋のしょうゆ味ちゃんこはあっさりした味だが、鶏肉をはじめいい味が出ていてご飯が何杯でも進みそうだった。幕下の青馬―千代の花戦では行司の判定に物言いがつき、3度取り直しになった。4回目の相撲では青馬が千代の花を破った。3回の物言いはかなりの珍事ではなかろうか。


十両の取り組みが始まった。このあたりまで来ると実力が違う。力、技、スピード、いずれをとってもため息が出るほどすごい。椅子席は2階で、土俵からは距離があるが、そこまで力士の息遣いが聞こえてくる。これがテレビ観戦との大きな違いだろう。そして、いよいよ幕内土俵入り、続いて横綱土俵入り。私は東側の席なので、白鵬の土俵入りは背中しか見えなかったが、朝青龍の土俵入りはしっかり見ることができた。

残念ながら千代大海が引退した後で見ることができなかったが、高見盛も魁皇も琴欧洲も見ることができた。とくに、私と同じ37歳の魁皇に対しては割れるような拍手が鳴り響いた。アスリートでない私でも身体にガタが着始める年齢、ましてや若い頃から自分の身体をいじめぬいたアスリートにとってはこの年齢で大関の重責を果たすのは大変なことだと思う。怪我をせず土俵に上がり続けて欲しい。結びの一番では白鵬が杷瑠都に敗れる波乱もあったが、非常に満足できる1日だった。太鼓の音に見送られながら国技館を後に両国駅に向かった。
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