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東日本大震災~私の3.11 上

 3月11日、14時35分ごろ、私は職員室の自分の席にもどり、スーツの上着を脱いでネクタイを少し緩めた。金曜の午後の職員室は、普段よりもすこしだけ穏やかな空気が漂っていた。私は、この日出勤してからはじめて穏やかな時間を過ごしていた。今日の私はずっと忙しかった。午前中は卒業式の予行練習があった。放送・記録係の責任者であった私は、朝から機材の点検、放送機器の操作をしていた。幸い、とくに目立ったトラブルはなく、このまま卒業式を迎えることができそうだ。午後は学校の後援者から卒業生代表とOBの代表のうち、とくに活躍のみられた者への表彰式があり、そちらでも放送の係をつとめた。表彰式が終わったのは14時20分過ぎ、すぐに学級の生徒と共に教室に戻ったのが14時30分前、生徒の荷物を持って寄宿舎まで送っていき、寄宿舎職員に伝達事項を連絡して、生徒と「さようなら」の挨拶をして職員室に戻った。コーヒーでも飲もうと思ったが、疲れがどっと出たので、しばらく机に座って休むことにする。このあとは、写真撮影、ビデオ撮影をした同僚から、今日の予行練習で気づいたことはないか話を聞いて、体育館の片づけをしなければならないと考えていた。さて、そろそろコーヒーを飲んで仕事だと思った14時46分過ぎ、近くの席の同僚の携帯電話が緊急地震速報を知らせた。


 「ん、地震がくるな」と身構えた瞬間揺れが来た。最初は大した揺れではなかったが、30秒ほど続いた頃、急に大きな揺れが来た。振幅の大きいゆっくりとした、しかし鉄筋コンクリートの校舎がねじられるような揺れが来た。一瞬にして机の上の書類が落ち始めた。私は席を立って出口に向かおうとしたが、歩くこともままならない。机にしがみついて倒れるのを防ぐことしかできなかった。職員室には10人以上の職員がいたはずだが、不思議と悲鳴のひとつも出なかった。ただひたすら地鳴りのような恐ろしい音と共に職員室は嵐の中の小舟のように揺れ続けていた。私も妙に冷静で、窓の外を見て、「あ、雪が降っている。積もらないといいな」と思った。
 どのくらい揺れていたかはわからないが、やっと揺れがおさまった。私は、寄宿舎にいる生徒が気になって、散乱している書類や事務用品を飛び越えて寄宿舎に走った。生徒は押入れの中に逃げ込んでいて無事だった。とりあえず胸をなでおろした。しばらく様子を見てから校庭に避難した。雪が降っているが、建物の安全が確認されていない以上どうしようもない。生徒を毛布でくるんだ。このとき、みんな妙に多弁だった。話すことで不安な気持ちを紛らわせていたのだろう。やがて、とうざ、生徒を駐車場に止めてある担任のクルマに避難させることにした。寄宿舎指導員の手を借り、車いすに乗せて駐車場に移動する。クルマのエンジンをかけて、ラジオでNHK第一放送にダイヤルを合わせた。

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