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東日本大震災~3月12日

 3月11日の震災発生直後から勤務校の体育館で避難者の対応にあたっていた私は、翌12日の午後まで体育館にいた。午後になって昨日帰宅した職員が戻ってきたので、私たち泊まり込んだ職員は引き継ぎを済ませ帰宅した。私も帰宅することにした。これから暗くなるまで4時間ほど、この間に当座の食料の確保、自宅の片づけをおこなわなければならない。ひどく疲れているが、のんびりしている暇はない。幸い、クルマのガソリンは給油したばかりで当面心配はいらない。しかし、冷蔵庫の食材は空っぽに近い。しかし、電気がきていないかもしれないから、衛生面を考えるとあってもなくても同じことかもしれない。

 幸い私が通った道路はおおきな損傷はないようだった。しかし、道路沿いの建物のなかには、壁にひびが入ったり、塀が崩れたものも多い。コンビニエンスストアに入ったらもっと驚いた。見事に商品が無かった。残っているのは、酒とアイスクリームのみであった。こんな状態で酒を買ってもしょうがないから、とりあえずアイスクリームを2,3個買っておく。これでいくらか腹の足しになるだろう。

 家に帰って、まず最初に電気が使えるか試した。「やった!思わず声を上げた。電気は無事使えたのだ。次いで水道はどうか、こちらは、水がちょろちょろと流れるだけ、断水である。とりあえず、水が出るうちに水を少しでも確保したかったので、浴槽に貯めることにした。
 次いでテレビを見ながら昼食としてアイスクリームを食べた。福島第一原子力発電所は、昨日の地震と津波で大きな損傷を受け、外部電源を失い原子炉が冷却できない危機的な状況になっていた。私は心臓が押しつぶされるような不安な気持ちになった。とっさに思ったのが、こんなことで死にたくない、それだけだった。
 テレビをちらちら見ながら家の片づけをする。倒れたたんすを元に戻し、散乱したものを収めていく。食器棚は倒れなかったものの、中の食器が半分くらい壊れていた。中には九谷焼の高価なものもあったが、諦めるしかない。電気が使えるから、掃除機も使え、作業は思いのほかはかどった。片づけが終わり、お湯を沸かしてお茶を飲みながらテレビを見ていると、ぞっとするような光景に出合った。ついに福島第一原発1号機が水素爆発を起こしたのだ。私は茫然とした。言葉もない。身体中から血の気が引いて行くのがよくわかった。とりあえずPCも立ち上げてテレビと同時進行で情報収集に努めた。夕方、原発の半径20kmに避難指示が出るという報道があった。私は原発からおよそ55km離れているが、貴重品や着替え、備蓄している食料や飲料水をクルマに積み込んでいつでも避難できる体制にした。夜になって、いつ停電になるかわからないので、ありったけの米をおにぎりにした。この状態で冷凍すればしばらくは持つ。私はお茶とおにぎりと、冷蔵庫の野菜で作った浅漬けで軽い夕食をすませた。結局水は浴槽の底に20cmほど溜まっただけだから、入浴はしばらくできない。とりあえずかたく絞ったタオルで身体を拭く。これでもずいぶんさっぱりした気持ちになる。
 夜は自宅の布団で寝る。体育館の薄いマットの上で寝た昨晩と違い、なんと快適なことだろう。まだ余震は多いし、原発の動向は気になるが、疲れが出たせいか、ぐっすりと寝ることができた。

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