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弱気になりたくはないが

 昨日、宮城県の岩沼から常磐線の電車で南に向かった。岩沼を発車した電車は、阿武隈川の鉄橋を渡ると、わずか2駅、10分ほどで終点の亘理駅に到着する。亘理駅は、駅裏にお城のような建物があり、図書館などが入っている。学生時代、仙台に住んでいた私は、何度も帰省のたびに乗ったコースだから、車窓の景色も大体わかっている。だから、電車に乗っている間は、このまま何事もないかのようにいわきまで行けるような錯覚に陥った。

 亘理駅で電車を降りると、代行バスに乗り換える。ここからこの先の浜吉田駅や新地駅の設備や線路が津波で大きな被害を受け使用できなくなったので、原ノ町までは代行バスが、原ノ町から久ノ浜までは東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う警戒区域になっていて、代行バスさえ運転できない状態になっている。バスは、常磐線よりも山側にある国道6号線を走る。それでも何箇所か津波が到達した痕跡が残っている。地図を見るとお分かりかと思うが、宮城県亘理町から福島県相馬市にかけての国道6号線は、海から2km程度離れている。こんなところまで津波が押し寄せたことに改めて驚く。それにしても、地元のおばちゃんの明るさには驚く。私は津波の爪痕を見て暗澹たる気持ちになっていたが、おばちゃんたちの姿を見ていたらすこし勇気づけられた。

 代行バスは相馬まで乗った。相馬市内はおもったよりも建物の被害は少なかったが、やはり町は活気が無かった。今回の大震災以降閉店を決めた店も数多くあった。それでも駅は開いていて、乗車券の販売などがあったから、列車は走っていないが、なんとか町が生きていることは確認できた。亘理~相馬~原ノ町間は、津波の被害を受けないルートにつけかえられ、いずれ運転を再開するのだろうが、原ノ町~久ノ浜間は、原発事故が終息し、放射線量が下がるまでは被害状況の調査さえ着手できない状況である。このまま廃線と言うことはないだろうが、一体何年かかるのだろうか。ひょっとすると私が生きている間に復旧するのは無理かもしれない、そんな考えが頭をよぎった。弱気にはなりたくないが、今の私にはどうしても明るい展望が描けない。私は重い足取りで帰りの代行バスに乗り込んだ。
 

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コメント

気持ちはとてもわかります。まして、原発問題まで抱えている福島の方達はなおのことだとお察しします。
でも、こう考えるのはどうですか?
「またこの常磐線に乗ろう。乗るたびに復旧していく様子を見よう」というのは。
遅々として進まないように見えますが、たくさんの方の力で進んでいるはずです。
そんな様子を感じることができたらそれはまた1つの嬉しい発見かもしれませんね。

まっきーさん

 実はこれには根拠があるのです。
 現在発表されている放射量、東京電力が発表している核種の割合(どのような放射性物質がどのくらいの割合で出ているか)、それぞれの放射性物質の環境半減期から、原発の西4km程にある地点に人が住めるまでにかかる年数を計算しました。その具体的な数字は、専門家でもない私が発表することには問題が多いのでやめますが、本当に厳しい数字でした。そのことが頭にあり、今も私の頭から離れません。これから原発事故のニュースはテレビや新聞での扱いが小さくなる一方ですが、まっきーは心ある方だと思うので、どうか今後の推移に注目してください。

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