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関越道バス事故の衝撃

 4月29日午前7時すぎ、私はインターネットのどうろ交通情報で関越道高崎IC~高崎JCT~藤岡JCT間が通行止めであることを知った。私はこの日、福島県の郡山から東北道、北関東道、関越道経由で新潟県に向かう予定であった。この時点で私は事故の規模を知らなかったので、私がこの地域に着くまでには通行止めは解除されているだろうと予想して出発した。途中、矢板北PA,北関東道に入って出流原(いずるはら)PAで休憩した時に道路情報を確認したが、まだ通行止めは解除されていなかった。この時点で大きな事故が起きたと判断し、通行止め地点での手前で高速を降りることを決断した。10時少し前に波志江PAにあるスマートICで高速を降り、前橋市経由の一般道で関越道の駒寄PAにあるスマートICから11時過ぎに高速道路に入った。その後、関越トンネルを過ぎて新潟県を走行中にラジオのニュースで事故のことについて知った。身の毛のよだつような恐ろしい事故だと思った。夜、新潟県長岡市のホテルのテレビでニュースを見たが、バスの車体を防音壁が貫通している痛ましい姿を見て血の気が引いた。

 ただ、私はこのような大きな事故を予想していた。今回事故を起こしたバスは、路線バスの一形態である高速バスではない。旅行会社が募集し、バス会社に委託して運行するツアーの一種である。(ツアーは、ホテルや観光がセットになっている場合が普通であるが、この場合は往復のバスのみの商品である)2000年の貸し切りバスの新規参入の規制緩和以降、このようなツアーバスは格安な料金を武器に急速に利用者を増やした。今回事故を尾そしたツアーも、金沢から東京・TDRまで3,500円という格安料金であった。羽田~小松間の飛行機が21,900円(通常料金)、上越新幹線と特急「はくたか」の乗り継ぎで13,010円(普通車指定席)、東京駅から金沢駅まで運行する高速路線バス(JRバス関東・JRバス西日本)が7,840円であることと比べたら破格の安さである。しかし、この安さこそ問題であると私は考える。物には適切な価格がある、はたして、金沢から東京までの500km強の交通機関がわずか3,500円で十分な安全性を確保できるだろうか?私はNoだと思っている。夜行の長距離運転だから、2人常務が望ましいが、3,500円で30人乗ったとして、105,000円にしかならない格安ツアーバスが2人乗務などできるわけがない。当然、疲労運転が常態化する。こんなことが続いているのだから、いつか大事故が起きるのはだれの目にも明らかなことであろう。

 ちなみに、このようなバスがいかに危険なものか、コストの面から計算してみよう。バスの定員は45名だが、30名乗車の収入105,000でコストを計算します。運転手1名に2万円で2名で4万円、金沢東~葛西間の高速道路料金(特大車・ETC)で14,150円、軽油代が1ℓ140円で燃費が2.5km/ℓと仮定すると28,000円。運行に最低限必要な経費だけで82,150円もかかってしまう。これに主催する旅行会社の取り分、バス会社の取り分を考えれば、もっともコストがかかる運転手の人件費にお金をかけられないのは明らかであろう。このバスを主催したハーヴェスト側は、1名乗務を指示した覚えはないと言っているが、これは完全な詭弁である。このコストで2名乗務などできるわけがないのだから。

 監督官庁である国土交通省は、このような問題のあるツアーバスの取り締まりを徹底してほしい。夜行便に関しては距離に関わらずに2名乗車を義務付け、今後の新造社にはプリクラッシュブレーキの装備や居眠り運転の警報装置などを義務付けてほしい。そして、私たち利用者も、交通機関は命を預けるものだから、安さではなく、安全を重視して選んでほしい。利用者の意識が高まればこのような悪質な事業者はおのずと淘汰されていくだろうと思われる。

 

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