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熊本・宮崎で見たえとせとら 1 熊本電気鉄道

 最近はゆるきゃらブームで、各地でゆるキャラを設定し、話題作り、観光振興に努めている。各地のゆるキャラの中で最初に成功したのが滋賀県彦根市のひこにゃんであろう。その後、たくさんのゆるキャラが生まれたが、熊本県のくまモンは成功したゆるキャラの代表例と言っていいだろう。羽田からソラシドエアの飛行機に乗って私を最初に出迎えたのは、フロントグリルにくまモンと熊本城が描かれたホンダ・N-Oneであった。

 熊本では市街地中心部から熊本市北部の住宅地を結ぶ熊本電気鉄道の電車に乗った。市街地中心部近くのターミナル駅は藤崎宮前駅、市役所のある手取本町や商業施設が集中する下通まで徒歩10~15分と言ったところか。できればその辺りまで線路を延ばせればいいのだが、既に市街地化しているので地下に潜る以外の方法では無理そうだ。その藤崎宮前駅が、今の熊本電気鉄道の置かれた状況を表している。駅は11階建てのビルの1階に入っているが、多くのテナントは撤退したようで、わびしい状態になっている。その廃墟のようなビルと隣のビルとの間の通路の先に駅があるのだが、無人駅である。券売機で切符を買うと、発車まで20分くらい時間があったが、既に何人かの乗客が待っていた。やってきた電車はかつて都営地下鉄三田線で走っていた電車で、思わず「なつかしい」と声を出した。夏休み中とはいえ、既に夕方で、部活や夏期講習帰りの高校生や中学生に交じって仕事帰りのサラリーマンもいた。左側から線路が近付くと北熊本駅、ここから上熊本までの視線が分岐している。電車は低い丘陵のある住宅地を走り、徐々に家路を急ぐ乗客を降ろしていく。すれ違う電車の中には、くまモンのイラストを描いた電車もあった。終点の御代志駅はプラットフォームのすぐ腋にバス停があり、菊池市をはじめ各地への路線バスに楽に乗り換えることができる。

 電車を1本見送り、北熊本に戻った。小さな乗り換え駅で小さな車両基地がある。色も形もカエルみたいな電車があった。かつて東急東横線などで走っていた電車で、すでに製造から60年近くたった電車である。買えるつながりなのか、ケロロ軍曹のイラストが描かれていた。

Photo


 ここから上熊本まではさすがに空いていた。上熊本は熊本電気鉄道のほか、熊本市電、JR鹿児島本線が乗り入れていてちょっとしたターミナルになっていた。

 熊本電気鉄道は、ターミナルの位置の悪さが影響して、厳しい状態にあると考えられるが、くまモンやケロロ軍曹を描いた電車を走らせるなど、経営努力の姿勢も見られる。藤崎宮前を基準にすると、平日昼間、夕方は30分ごと、平日朝は15分ごと、土曜・休日は終日30分ごとと、地方鉄道としては最低限の利便性も確保している。地方鉄道には厳しい時代が続くが、今後も地域の足として頑張ってほしいと思っている。

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