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道路は開通したけれど…

 福島県のうち阿武隈山地と太平洋に挟まれた南北に細長い地域を浜通りという。北から、相馬氏の城下町であった相馬市、浜通り北部の経済の中心である南相馬市、請戸漁港がある浪江町、東京電力福島第一原子力発電所がある双葉町と大熊町、桜とつつじがきれいな富岡町、フラガールのいる工おうきょうと業都市のいわき市がある。東京と仙台を結ぶ主要な交通路でもあるこの地域には、JR常磐線、国道6号線、常磐自動車道などの幹線鉄道・道路が南北に走っていた。しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故により、この地域の交通路はずたずたに寸断された。

 2014年9月14日の時点で、JR常磐線は上野~水戸~いわき~竜田(福島県楢葉町)間と、原ノ町(福島県南相馬市)~相馬間、浜吉田(宮城県亘理町)~仙台間で列車の運転が行われている。不通区間のうち、相馬~浜吉田~亘理間では代行バスが運転されていて、この区間は一部の区間を津波の影響を受けない内陸部に線路を移して復旧予定である。一方、東京電力福島第一原子力発電所に近い竜田~原ノ町間は復旧の見通しが立たず、代行バスの運転も行われていなかった。国道6号線は東京都中央区から水戸市、いわき市を経て富岡町までと、浪江町から南相馬市を経て仙台市までが通行可能であった。やはり原発に近い富岡町~浪江町間は許可を得た車両のみが通行可能であった。常磐自動車道は震災前に三郷(首都高速6号線・外環道に接続)~水戸~いわき中央~常磐富岡間と、山元~亘理間(仙台東部道路に接続)が開通していた。震災後は浪江~南相馬~相馬間が開通していた。

 2014年9月15日に国道6号線の富岡町~浪江町間が四輪の自動車に限り通行できるようになった。いわき市と南相馬市の間の距離は80kmほど、一般道を使っても2時間少々で結ばれるようになる。ここが開通前は田村市、川俣町を経由する必要があったから、所要時間の面でも経済性の面でも大きな進歩である。その後、2015年1月31日には国道6号線を走行して竜田駅と原ノ町駅を結ぶJR常磐線の代行バスの運転が始まった。乗り換えがあるものの、いちおう公共交通機関で浜通りの南北の移動ができるようになった。3月1日には常磐道常磐富岡~浪江間が開通して、常磐道が三郷から亘理までの全線で通行できるようになる。

 めでたい話のようだが、私には不安が残る。国道6号線は原発のすぐそばを通っているし、常磐道の富岡~浪江~南相馬の区間は非常に放射線量の高い地域が含まれている。ドライバーや乗客などの安全は本当に大丈夫なのだろうか、もし原発の近くで立ち往生したクルマがあったり、交通事故が起きたらどうするのか、放射線量の高い地域を車が走ることで放射性物質を全国に拡散させてしまわないか等の心配がある。実際、去年9月の国道6号線の開通以降、福島県いわき市の国道6号線の路面の放射性物質が増えたという報告もある。交通の利便性は大事だし、地域の復興も大事だ。しかし、もっと大事なものが他にあるだろう、わたしはそう言いたい。

 

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