ごきげん?ワーゲン
フォルクスワーゲンのクリーンディーゼルエンジンが、アメリカの排ガス規制を不正なソフトウエアをしようしてクリアしていたことが発覚して1月が過ぎた。不正が明らかになったのは、フォルクスワーゲンのゴルフ、ジェッタ、パサートと、フォルクスワーゲン傘下のアウディのA3の三車種である。一説では1000万台に上る大量のクルマのリコールもささやかれている今回の不正、その対策費は1兆円を軽く超えるだろうと言われている。フォルクスワーゲンはドイツ有数の大企業で、部品メーカーやディーラー、そのほか関連企業を含めれば数十万人の雇用がかかっているので、ドイツ政府は何としても救わざるを得ないだろう。シリアなどの中東からの難民問題と合わせ、ドイツの首相であるメルケルにとって頭の痛い問題になりつつある。
現在自動車業界では、1000万台クラブという言葉がある。現在の自動車業界では、環境対応(ハイブリッドや電気自動車)、省エネルギー、安全対策(プリクラッシュブレーキや衝突安全ボディ)、新興国向けの安価な自動車の開発など、非常に金と技術が必要な時代になっている。生き残りのためには、規模が求められている時代になっている。現在、1000万台、あるいはそれに近い台数を確保している自動車会社は、①トヨタグループ(トヨタ自動車・ダイハツ工業)、②フォルクスワーゲングループ(フォルクスワーゲン・アウディ・ポルシェ(以上ドイツ)・シュコダ(チェコ)・ランボルギーニ(イタリア)・セアト(スペイン))、③GMグループ(ゼネラルモーターズ…キャディラック・シボレー・ビュイックなどのブランドがある(アメリカ)、オペル(ドイツ))・五菱(中国)、④ルノー・日産アライアンス(ルノー(フランス)・日産自動車・三星(韓国))があるが、ことによると、フォルクスワーゲンは参加のブランドの一部を手放したり、一部の市場からの撤退を余儀なくされるかもしれない。その結果、1000万台クラブの中からの脱落もあり得ない話ではない。
また、既にフォルクスワーゲンは、次期型のゴルフ(日本のカローラやアクセラ、インプレッサクラスの主力車)に、現行モデルの部品を可能な限り使うと表明している。販売の減少や、リコールの費用、顧客や取引先からの損害賠償、各国政府からの制裁金など、今後のフォルクスワーゲンを取り巻く状況は厳しい。そのため、新車の開発や技術開発に十分な資金が回せなく可能性もある。そうなれば、商品力が低下し、更に悪循環に陥る恐れもある。厳しい状況であるが、フォルクスワーゲンのファンも多いし、ゴルフなど、日本の自動車会社に与えたインパクトは大きい。私はフォルクスワーゲンがまっとうな自動車会社として再起することを望んでいます。
« 南への想い | トップページ | 柏市にサイレンが鳴る »
「クルマ・ドライブ」カテゴリの記事
- 2021今変革の時(2021.01.02)
- 机上旅行のススメ(2020.12.06)
- イソ/BMWイセッタ(2020.10.03)
- 変わるモーターショー(2019.10.06)
- さようなら強さ、ようこそ優しさ(2019.05.19)
今回の件、非常に驚きました。
フォルクスワーゲンはこれからどうなってしまうのでしょうか?
投稿: GE8 | 2015.10.30 21:35
フォルクスワーゲンは非常に財務体質のいい(借金が少なく手持ちのお金が多い)会社ですが、さすがに今回の事態は天文学的な金額がかかるので影響が多いいでしょうね。私はフォルクスワーゲンは今より小さな会社になると思います。その過程で、
中国の工場を売るか、ポルシェやアウディを売却するかでしょうね。でも、中国から撤退したら、フォルクスワーゲンにとって取り返しのつかない事態になりそうなので、私はポルシェやアウディを売却するのではと思っています。
投稿: やえもん | 2015.10.30 21:46