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月に1度は

 都会の人には想像できないだろうが、田舎の人は重度の自家用車中毒でる。どこに行くのも自家用車、近くのコンビニに行くのも、隣の町に行くのも、隣の県に行くのも自家用車である。そのため、道路を歩いているのは犬の散歩をしている人を除いては高校生までの子どもか、お爺さん、お婆さんの高齢者ばかりである。

 私が住む福島県いわき市も例外ではなく、高校を卒業すると多くの人が運転免許を取り、鉄道やバスなどの公共交通機関を利用するのは、東京や仙台など遠方に行くときくらいのものである。市内の移動はもっぱら自家用車、郡山、水戸、日立などの距離も自家用車、最近では、雨が降ると中学校や高校の周囲は送迎の自家用車で渋滞するありさま、私が中学生や高校生のころは、親の送迎など恰好悪いと言って断ったものだが、最近の中学生や高校生は親と仲良しになったのか、はたまた軟弱になったのか、親が子離れできなくなったのかわからないが、そんな有様である。

 そんな状況だから、電車やバスの利用者は減少傾向である。いわき市内の公共交通機関のうち、今後も安泰だと思われるのは、JR常磐線の上野~水戸~いわき間と、新常磐交通の東京駅~いわき駅間の高速バスと、いわき駅~いわきニュータウン間の路線バスくらいだろう。去年10月のダイヤ改正で、湯本駅を発着する土曜・休日の運行本数が大幅に減らされ、湯本駅~釜の前~ハワイアンズ、湯本駅~小野田等の路線が土曜・休日の運転がなくなった。とくにショックだったのが、湯本駅~釜の前~ハワイアンズ間の路線で、私が小学生のころは20~30分に1本程度の運転だったのが、土曜・休日の運転がなくなるまで衰退したことである。決して人口が無いところを走る路線ではない、途中には住宅地があるし、終点のハワイアンズはいわき市有数の観光地である。鉄道でいえば、いわき駅と郡山駅を結ぶJR磐越東線のいわき~小野新町間が厳しい状況である。公共交通機関の衰退とともに、かつて賑わっていた都市の中心部も厳しい状況である。いわき市の場合、駅前に商業ビルと図書館などが入ったラトブというビルができて、やや都市中心部の衰退にブレーキがかかってきたが、やはり全体としては郊外のショッピングモールやロードサイド店への流失が続いている。

 さて、そんな状況の地方の公共交通機関であるが、そろそろ決断の時が迫っている。残念ながら国や地方公共団体の財政が厳しくなっている現状では、これらの補助金で存続するというのは難しくなっている。ひとつは、採算の取れる範囲まで縮小することである。この場合、国内最大の鉄道事業者であり、経営基盤が強いJR東日本の常磐線、磐越東線は生き残れるだろうが、いわき市内の路線バスを運営する新常磐交通は経営基盤が弱く、高速バスとごく一部の路線バスを残して撤退する可能性が高い。経済性を考えればそれが正解なのだろうが、本能にそれでいいのか、私は地方に住む人に問いかけたい。人間は誰でも歳をとる。歳をとれば目や耳が衰えるし、運動神経だって悪くなる、もしかしたら認知症になるかもしれない。仮に、現在自動車会社が開発を進めている自動運転が実用化したとしても、それはきちんと運転できることが前提になると思われる。それでは、家族の自家用車による送迎はどうかというと、残念ながらこれも当てにはできないだろう、核家族の進展という段階を通り越して、老人だけの世帯や一人暮らしの世帯が増加しているのが地方も都市も共通している傾向である。では、どうするか、自家用車の運転ができなくなったら、ずっと自宅に引きこもるか、しかし、そうはいかないのが人間の生活である。そうなれば、もうひとつの道、住民が公共交通機関を育てること、これ以外に解決法は無いと思う。

 それでは、どうしたらいいのか、私が提案する方法はこれである。月に1度、電車やバスを使って外出をすることである。せっかくだから、全国どこに行っても同じような商品が並び、同じような味のものが食べられる郊外型のショッピングモールやロードサイド店に行くのではなく、昔からの町中に行こう。これまで知らなかった素敵な店や、美味しいものに出会うことができると思う。電車やバスで出かければ、お酒を飲んでも帰ってくることができるし、車窓をゆっくり楽しむことができる。町中にある美術館や博物館、お寺や神社に行くのも楽しい。もうワンランク上の休日の過ごし方を実践して、元気な公共交通を住民みんなの手で作りませんか?

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コメント

公共交通機関、地方に住んでると使わなくなりますよね。まず、地方はダイヤが充実していないから、不便、それで利用する人が少ない、またダイヤが廃止になったり縮小されたりする。悪循環になってしまう・・・
路線バスの運行ダイヤ、大幅に減ったんですね。知らなかったです。

いわき市常磐地区で、土曜・休日も運転している路線バスは、湯本駅〜いわき駅〜福島空港、いわき駅〜湯本駅東口〜小名浜、湯本駅〜上遠野、湯本駅〜湯本高校〜金比羅神社〜湯本駅だけになりました。少しでも多くの人が我慢してではなく、楽しみながら公共交通機関を利用することが必要だと思います。

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