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三菱自動車に明日はあるか?

 三菱自動車は、国内の自動車会社の中でも老舗である。1917年に三菱造船がA型乗用車を生産したのがルーツで、その後三菱重工の一部門になり、1970年には三菱自動車工業として独立した。その後、パジェロのような本格的なクロスカントリー車、ギャランやランサーのセダン、ミニカなどの軽自動車、そしてトラックやバスなどを送り出してきた。まさに、名門と言っていいだろう。

 しかし、名門にも影が差したのが1990年代後半、画期的なガソリン直噴エンジンGDIエンジンが品質の問題で十分な成功を収めることができなかったことに始まり、2000年と2004年には大規模なリコール隠しが発覚し、市場での信頼を失い、大きくシェアを低下させることになった。かつては、トヨタ、日産に次ぎ、日本の自動車業界でホンダとともに3位を争う地位にいたが、かつて各下だったスズキ、ダイハツ、マツダ、スバルに抜かれ、現在では国内の自動車メーカーで、少量生産の光岡を抜けばぶっちぎりの最下位に転落してしまった。近年では、他のメーカーと違って、新しい車種の投入や新しい技術の開発が極端に少なく、自動車会社としての存在感は大きく低下していた。そんな三菱自動車にとっての頼みの綱は、日産自動車への軽自動車の供給であった。2003年から軽商用車であるミニキャブを日産自動車にクリッパーとして供給したのを皮切りに、軽乗用車のekワゴンを日産・オッティとして供給した。その後、三菱と日産との関係は深まり、現在では三菱自動車水島工場で生産した、三菱・ekワゴン・ekスペースと基本的な構造を共有する日産・デイズ・デイズルークスを供給している。日産の販売力は強力で、三菱の倍以上の台数を販売し、三菱の工場の稼働率を大幅に引き上げている。

 今回、この三菱・ekワゴン・ekスペースと日産・デイズ・デイズルークスにあってはならない問題が発生した。燃費を実際よりも良く見せかけるために、虚偽のデーターで試験をして、国土交通省に届けていた。しかも、この問題は三菱自動車が自力で見つけたわけではなく、日産自動車の調査によって発覚したところが問題である。しかも、この問題は軽自動車に留まらず、三菱自動車が発売しているほとんどの車種で不正な方法で燃費の測定がおこなわれていることが明らかになった。

 最近の自動車業界は、燃費の改善や安全性の向上、環境負荷の低減など多くの課題を抱えている。そのために新技術の開発のために多額の費用が必要であるが、リコール隠しの発覚以来経営が悪化している三菱自動車にはそのための資金がなかったのが実情なのだと思う。しかし、他社に燃費が負けているままでは販売がますます低迷する、そんなところが不正の動機だと思う。だからと言って許されることではない。今後、三菱自動車がユーザや提携先である日産自動車に対してどのような対応をとるのか、注視していきたい。場合によっては、命をのせて走る自動車業界からの撤退や、他社の傘下に入ることも考えられるだろう。

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コメント

本当にやってしまいましたね。
やっちゃえ日産という言葉がありますが、やっちゃった三菱という言葉がぴったりでしょうか。 
アウトランダーPHEV、デリカD5、ミラージュは不正をしていなかったのが不幸中の幸いと言える状況とは言える状態ではないと思うが。
アウトランダーPHEVなんて、今の三菱の屋台骨ですし。

 数少ない三菱自動車の資産が、アウトランダーPHEVの技術なのだと思います。かつては四輪駆動に強みがありましたが、最近の流れはパジェロのような本格的なクロスカントリー4WDは売れないですから。いずれにせよ、クルマは自分や家族の命を預けるものなので、残念ながら私は三菱車を購入候補に挙げることはないとおもいます。

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