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小説「2030年」 ④沈みゆく太陽

 常磐線の快速電車は、松戸を発車すると、北松戸、馬橋駅を通過した。明生はスマートフォンをバッグから取り出すと、ニュースをチェックした。トップニュースは神奈川県内の国道1号線で橋に大きな亀裂が発見され、通行止めになったものであった。明生は「またか」と思った。最近、こんなニュースがうんざりするくらい続いている。2020年の東京オリンピックまではこんなニュースはまれだったが、ここ数年、日本の道路やトンネル、橋、建物などの公共インフラはボロボロである。通行料金や運賃でメンテナンスコストを賄える有料道路や高速道路、鉄道はまだいい。その代わりに、有料道路や高速道路は建設費を返し終わったら無料で通行できるはずだったが、永遠に料金を徴収することになるだろうと言われている。国や都道府県、市町村がメンテナンスコストを賄う一般道路は悲惨である。橋が落ちかけたり、トンネルが崩れかけるのはさほど珍しいニュースではなくなった。全ての原因は財政難、この一言だ。
 電車はいつの間にか武蔵野線の乗り換え駅である新松戸、大手ドラッグストアチェーンの発祥の地である北小金を通過し、南柏駅に差し掛かっていた。次は柏駅、明生は各駅停車に乗り換えることに備えてスマートフォンをバッグにしまった。電車は徐々にスピードを落とし始めた。
 

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