番狂わせ
世の中番狂わせはよくある。プロ野球やJリーグで首位を独走しているチームが最下位のチームに敗れることはあるし、マラソンで注目されていなかった選手がトップでゴールすることもある。それも、基本的に同じカテゴリー同士の戦いであって、地域リーグのチームがいきなりJ1のチームを破ったり、無名の市民ランナーがオリンピック代表選手を破ることはまずないだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=qXtg6nsV-5g
ところが、上野動画では、1/4マイルレース(日本でいうゼロヨン)でトラバントがGT-Rを破っている。さて、このクルマの紹介をすると、日産GT-R、かつての名前はスカイラインGT-R。日本のモータリゼーションの黎明期から日産自動車(と合併前のプリンス自動車)を代表する高性能スポーツカーである。2007年に登場した現行モデルは、初期型でも480馬力を発生させる3800cc,、V6ツインターボエンジンを搭載し、このパワーで四輪を駆動している。最高速度は315km/h、100km/hまでの加速は2.7秒。まさに、高性能そのものである。一方のトラバントは、東ドイツのVEBザクセンリンリンクが製造した。第二次世界大戦でドイツが東西に分割されるまではアウトユニオンという会社だった。ちなみに、西ドイツに残った会社は現在のアウディになる。トラバントは1958年に発売された小型車で、全長3550mm、全幅1500mm、重量650kg程の小さく軽いボディに、600ccの2ストローク2気筒、初期型は出力わずか23馬力のエンジンを積むクルマである。生産中止目前にはフォルクスワーゲン・ポロと同じエンジンを積むようになるが、時すでにおせち、もとい時すでに遅しで、ベルリンの壁が崩れ、東西ドイツの統一の統一が時うゲンした直後の1991年に生産中止になる。1950年代のクルマとしてはは決して時代遅れのクルマではなかったが(サイズがほぼ同じで、性能もほぼ同じ三菱・コルト600よりも4年は八誕生している)。30年以上大きな技術的な進歩がなかった。これは社会主義経済の硬直性を示すわかりやすい例としてしばしば取り上げられている。そんなトラバントがGT-Rをやぶっているのだから痛快だ。
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