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タイのこれまでとこれから

 現在のタイには、長い間クメール族(現在カンボジアの人口の90%を占める民族)やモン族(現在ミャンマーに住んでいる民族)が住んでいた。現在タイの多数派であるタイ族は中国の南西部に住んでいた。その後徐々に現在のタイの地域に移動し、1257年にスコータイ王国を築いた。その後、スコータイ王国は衰え、アユヤター王朝にとってかわられた。その後、1769年に中国系のタークシンン王のトンブリー王朝が成立したが、1782年、ラーマ1世はトンブリー王朝を倒してチャクリー王朝を開いた。これが現在に続くタイ王国のもとになったものである。19世紀になるとイギリスやフランス、オランダ、アメリカなどの西洋諸国が東南アジアに進出するが、ラーマ5世(在位1868年~1910年)は、近代国家の樹立を目指し、各地の王に権力が分散している状態を改め、官僚制を整備し、中央集権国家を築いた。また、議会制度、学校制度、道路や鉄道の整備を行った。このような改革が功を奏し、周辺の国家、ビルマやマレーシアはイギリス領に、カンボジアやベトナムはフランス領になったのとは対照的に、タイは独立を守った。ちょうど日本の明治天皇の在位期間と重なるが、目指した姿もほぼ同じだった。

 ラーマ9世プミポン国王は1927年にタイの王族に生まれる。1946年に兄であるラーマ8世の死去により18歳で国王に即位した。国王に即位すると、農業国であるタイの地方経済の活性化に取り組み、地方視察などでは積極的に国民とふれあい、国民からは絶対的な信頼を得ている。タイでは議会政治がうまく機能しておらず、何度も軍事クーデターが起きたが、その際に対立する勢力の仲介に入り、事態の収束に奔走したのはラーマ9世だった。私も以前タイ出身の女性が経営するタイマッサージに通っていたが、マッサージを受けながら、タイでの生活やタイの文化、タイと近隣諸国を関係などいろいろなことを教えていただいたが、国王のことを話している時間が一番長かったように思う。それだけタイの人々にラーマ9世を経営する気持ちが高いのだと思う。

 そのようなラーマ9世も高齢には勝てず、近年は病気がちであったが、2016年10月13日死去した、88歳であった。後継の国王には、ラーマ9世の長男であるワチラーロンコーンが即位するものと思われるが、奇行の噂があり、国民の人気が低い、2014年に軍事クーデターがあったばかりのタイで王室の求心力が低下することは大きな不安材料である。日本と関係が深く、人の行き気も多く、日本と同じように立憲君主制の政治体制をとるタイのこれからに注目したい。

 ※立憲君主制…君主(国王・皇帝・天皇など)の権限が憲法により制限されている政治体制。現在の日本は日本国憲法によりとくに厳しく君主の権限が制限されている。いわゆる象徴天皇制である。

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