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1年の終わりに

 私にとって冬の楽しみのひとつは星を見上げることです。冬は明るい星が多いし、空気が乾燥しているせいか星がかすむことが少なく、きれいな星空が楽しめます。

 星空に輝く星の多くは、恒星と呼ばれる星々です。簡単に言えば太陽のように自らの力で光を発する星、もう少し専門的に言えば、水素やヘリウムの核融合反応で熱や光を放出している星ということになります。そのため、恒星の表面温度は非常に高く、1万度を超える恒星もあります、表面温度が低い星でも2500度、太陽の場合は5500度といずれも非常に高温です。そのため、シリウスにも、太陽にも、プロキオン(一説には巨人の星と言われています)にも生物は住むことができません。しかし、太陽のまわりには、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つの惑星があり、それぞれ異なった周期で太陽の周りを公転しています。太陽に惑星があるのだから、他の恒星にも惑星があるだろう、多くの人がそう考えてきましたが、恒星と比べれば惑星ははるかに小さく直接観測することは困難でした。

  1995年、ジュネーブ天文台の研究チームによりペガスス座51番星という恒星に惑星があることが観測された。これは、人類がはじめて太陽系以外の惑星(系外惑星)の存在を証明した瞬間であった。はじめて観測された系外惑星は、恒星のすぐ近くを回る木星のような巨大な惑星で、あまりに高温で生命が存在するとは思えないシロモノであった。その後、地球と同じくらいの大きさの系外惑星や、地球と同じくらいの温度の系外惑星も観測された。もう、こうなれば断言してもいいだろう。私たち、地球の生命は孤独ではない、そう、宇宙にはきっと他にも生命を持つ星が存在し、今まさに星空を見上げているだろう。そして、私たちの遠い子孫は系外惑星に生命がいる証拠を見つけることができるかもしれない。そんな夢のようなことを考えてみた。

 今年もあと1日、大掃除の続きをしながらそんな夢のようなことを考えて過ごすのも悪くないだろう。皆様もどうか良い年をお迎えください。

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