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そういうものに、私はなりたい

 私の住む町の小さな丘に桜の木がたくさん植えてあるところがある。ソメイヨシノだけでなく枝垂れ桜、その他何種類の桜も植えてあってそれはそれは素敵な場所である。その丘には東屋やベンチもあって座ってお茶や団子を楽しみながら桜を愛でることができる。丘の下には川が流れ、時折いわきと郡山を結ぶ磐越東線も走る列車も見ることができる。とはいえここを知っているのは地元の人が多いからいわゆる有名お花見スポットのように混雑することのない場所である。

 桜の花を愛でる時には視線はどうしても上を向くことが多いだろう。足元を気にしながら桜の花を見る人はおそらくそうは多くないだろう。私だってそうだ。ある人が私に教えてくれた、足元にスミレが咲いていることを。よく見れば、そのスミレは半分以上が踏みつけられていたし、私も気づかずに踏んでしまったかもしれない。上の方で美しく咲く桜は誰でも気付く、しかし、足元にひっそりと咲くスミレに気付く人は少ない。しかしスミレだって胸を張って精一杯咲いている。そんな花に気付く人は素晴らしいと思うし、そういうものに私はなりたい。

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