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2021年10月の1件の記事

札幌の衝撃

 「札幌の1月、-3.2℃の衝撃」と言っっても何のこっちゃと思うだろうが、私には非常に衝撃的な数字だった。いや、正確に言えば恐ろしい数字と言った方が正しいだろう。

 今をさかのぼることおよそ1月前、理科の授業で使う資料を作っていた。日本各地の夏と冬の気温と降水量を比較し、特徴をまとめようという内容であった。那覇は南西諸島の気候代表、東京は太平洋側の気候代表、金沢は日本海側の気候代表、札幌は北海道の気候代表に選んだ。ちょうど今年気象庁の平年の気温・降水量が改定されたばかりであったから、それまでのデータとどのような違いがあるかに個人的な興味もあった。平年の気温・降水量は10年ごとに改定され、現在は1991年〜2020年の平均をもとに算出されている。この数字をもとに天気予報などで「平年より降水量が多い」や「平年より暑い夏」などと報道されるのである。那覇、東京、金沢と平年の気温・降水量を調べ終わって、残るは札幌、これが終わったら冷たいお茶でも飲んでゆっくりしようと思っていた。わたしの学校の職員室はこの夏はエアコンが効かず、今年の9月はとにかく暑かった。

 「うそ!」思わずつぶやいてしまった。札幌が最も寒くなるのが1月、その月平均気温は-3.2℃。私が小学生だった1980年代前半の札幌の冬は-5℃くらいで、「さすが北海道、気合の入った寒さだ」と思ったものである。気象庁の過去の気温データを見ても、1922年の1月の平均気温-10.2℃を筆頭に厳しい寒さが当たり前だった。戦後は徐々に気温が上昇してきたが、1978年2月の平均気温が-7.6℃など厳しい寒さが当たり前だった。21世紀に入ると、2001年2月の-5.5℃を最後に月平均気温が-5℃を下回ることがなくなった。

 熱帯や温帯、冷帯などの気候には定義があり、ケッペンの気候区分では冷帯に定義されるには最も寒い月の平均気温が-3℃未満、最も暖かい月の平均気温が10℃以上で、乾燥限界以上の降水があることとある。日本の場合どこに行っても雨や雪は降るから乾燥限界は考えなくていいが、問題は気温、現在の最も寒い月の平年の気温が-3.2℃なので、あと0.2℃上昇すれば札幌は温帯になることになる。函館、松前、江差、伊達、室蘭などは既に温帯になっている。北海道=冷帯というのは既に過去の話になっている。一方沖縄県も徐々に熱帯になる地域が増えてきている。

 気候の変動は人為的なものがなくても起きうる。海流や風、太陽の活動、火山の噴火などでも変わる。しかし20世紀後半からの気候の変動はペースが早いと感じている。そうなると何らかの人間の活動が原因となっていることは間違い無いと思う。気候の変動は動物や植物への影響が多いし、私たちもその影響から逃れることはできない。今からでもできることはきっとあるはずだと思う。

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