まるの思い出
およそ20年前、まだ寒かったある日、当時私が勤めていた学校の体育館に段ボールの中にまだ目が開くか開かないかの子猫が2匹捨てられていた。寒さでブルブル震えている子猫が可哀想になり、1匹は同僚が連れて帰り、もう1匹は私がつれて帰った。
家に連れて帰り、ミルクを飲ませてもまだ私を警戒した目で見ていた。段ボールに毛布を敷いてそこで寝かせると、静かに寝息を立てて寝始めた。冬の寒い夜の一人暮らしは例え男でも心細く、今日出会ったばかりの子猫であってもその存在は心強かった。私はその猫にまるという名前をつけた。まるは決して人懐っこい猫ではなかったが、それでもまるの存在は私にとっては大事なものであった。
その後事情がありまるは近所に住んでいた母と一緒に暮らすようになったが、東日本大震災も生き延び、まるはすっかり家族の一員になった。母が病気になった後はまるは弟夫婦と一緒に暮らした。その頃にはまるも寄る年波で、腎臓が悪くなり動物病院のお世話になることも多くなっていた。足腰もだんだん弱っていたが、それでももう少し私たちの家族でいてくれると思ったが、ついに私たちのもとを去ってしまった。あと1月で20歳、人間で言えば95歳くらいであった。あっという間の年月であったがまると出会えたことは良い思い出だったと思う。
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