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鉄道開業150周年企画⑩ 2006年11月 銚子電鉄奮闘する

 「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」悲鳴のような言葉は多くの人の心を動かした。たちまち銚子電鉄の電車に乗る乗客はうなぎ登り、副業で行なっている(こちらの方が売上が多いので、こちらを本業とする見方もあるが)ぬれ煎餅玄米揚げ餅などの菓子類も飛ぶように売れ、捌ききれないほどの注文が殺到した。私も売上が一段落した翌年正月明けにぬれ煎餅と玄米揚げ餅を通販で購入した。

 銚子電鉄は千葉県の銚子市にある銚子駅から外川駅までの6.4kmを結ぶささやかな規模の鉄道である。JR総武本線の終点である銚子駅の隅っこを曲がりして遠慮がちに電車が発着している。ここから、漁業と醤油の町である銚子の市街地を走り、犬吠埼近くの犬吠駅を経て、小さな港町がある外川駅を結ぶわずか6.4kmの鉄道である。主なお客は沿線の高齢者と学生、それと犬吠埼を目指す観光客。

 かつては沿線にある醤油工場の製品輸送で賑わった時代もあったようだが、やがて醤油の輸送はトラックに代わった。戦後は千葉交通の傘下に入ったが、1990年、同じ千葉県内にあった内野屋工務店の傘下になった。1998年に内野屋工務店が自己破産したが、その後も内野屋工務店出身者が経営をした。しかし、その経営者による横領が発覚し、経営者の解任、逮捕という事態に発展した。これをきっかけに元々振るわなかった銚子電鉄の業績は悪化し、ついに電車の修理代にも事欠くようになった。

 元々、銚子市の人口は減少だったことに加え、銚子電鉄沿線は道路が狭く、坂が多く、車の使用には向いていなかったこともあり、沿線の人口も低迷していた。そのことから、銚子電鉄は1976年に鯛焼き屋を開店させたり、1995年には銚子特産の醤油を使ってぬれ煎餅の製造・販売に乗り出すなど、関連事業に力を入れていた。それでも、経営者の横領という犯罪行為が発覚した以上、信用は失墜し、電車の修理代にも事欠くようになったなってしまった。その結果が、「電車の修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」だった。

 しかし、その時点で内野屋工務店出身の経営陣を追い出し、会社は鉄道事業の存続に向けて、まさに捨て身の作戦に出た。この姿勢が多くの人の心を動かしたのだと思う。そして、銚子は観光地としての魅力があった。犬吠埼だけではなく、外川の港町も風情があっていい。銚子の魚は美味いし、ぬれ煎餅や玄米揚げ餅も美味いし、鉄道会社が作る名物菓子として話題性がある。新しい経営陣は、何とか鉄道を残せると踏んだのであろう。

 そこからの銚子電鉄はありとあらゆる生き残り策をとった。人気ゲームソフト、「桃太郎電鉄」を制作するバンダイとコラボし、ゲームに出てくるキャラの石像を設置した。駅のネーミングライツを販売したり、テレビ番組に出たりした。極め付けは、不味い棒と鯖威張る弁当だろう。不味い棒は駄菓子として知られる、うまい棒に似た製品で、名前に反して味は美味い。不味いのは経営状態ということだろう。鯖威張る弁当とは、サバの炊き込みご飯の上に、大きな焼き鯖が乗った弁当で、こちらはまだ食べていないが、美味しそうな弁当である、名前は、もちろん、鯖と会社の生き残りをかけたさばいばる。若干親父ギャグと自虐的なところが気になるが、美味い名前だと思う。最近はユーチューバとコラボしたりと、話題作りに余念がない。この会社がこれからも生き残りのために奮闘する姿を応援したい。

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