鉄道、これからに向けて
今年は鉄道開業150周年という記念すべき年でした。それに伴い、各鉄道会社では様々なイベントが行われました。それらのイベントは概ね好評で、いわゆる鉄道ファンだけでなく、家族連れ、高齢者、そして子どもたちなど、多くの人が訪れたようです。今年は西九州新幹線、武雄温泉〜長崎間の開業がありました。長崎は観光地として非常に魅力あるところです。多くの人が長崎を訪れて長崎の観光、経済の一層の発展に期待したいと思います。また、2011年の洪水で鉄橋などが流されて運休が続いていた、10月に運転再開し、臨時列車を増発するなど大盛況だという。先日は宇都宮のライトレールが試運転を開始した。宇都宮駅東口から市街地東部の商業地帯、学校、住宅地、そして日本有数の内陸工業団地を結ぶもので、過度な自家用車依存が交通渋滞を引き起こした地方都市で、ライトレールが受け入れられるか注目される。
もちろん明るい話題だけではない。新型コロナウイルス感染症の蔓延が続き、ビジネス需要も観光需要も低迷し、鉄道各社は我慢の経営を強いられている。これまで頼りの綱であった通勤・通学需要も減少している。地方路線では人口が減少することで加速度的に利用者が減少しているところもある。利用者の減少は即路線の存廃に関わる危機につながる。
とはいえ、鉄道をはじめとする公共交通は今後の必要だ。人間は移動する生物である。遠くへの引っ越し、旅行、から近場への通勤、通学、買い物、通院。どんなにオンラインでできることが増えても人間が家から一歩も外に出なくなることは考えにくい。そして、高齢者の免許返納者も増えるし、免許を持たない外国の人、経済的理由で免許を持たない、あるいは自家用車を持たない人も多い。
そして何より、鉄道の強みは2つの安心感だろう。ひとつ目の安心感は、他の交通機関では難しい高い安全性だろう。最近の車は安全になったとはいえ、鉄道の安全性とは大きな開きがある。もうひとつは線路や駅が簡単には無くならない、地図に載っているという安心感だろう。バス路線と違って簡単には廃止できないことと、線路や駅は地図に乗るし、駅は今だに町の中心部になっていることが多い。
これからの鉄道会社に期待したいのは、何よりも安全な鉄道運行。ついで、人と地球環境にやさしい鉄道であること。子どもも高齢者も、障がいのある人も、外国の人もみんなが利用しやすい鉄道であってほしい。その上で乗って楽しい列車を走らせてほしい。私もこのブログ上で鉄道で働く人を応援したり、鉄道旅行の楽しみを紹介したりしたい。次の150年後もみんなに愛される鉄道であってほしい。
« 鉄道開業150周年企画⑩ 2006年11月 銚子電鉄奮闘する | トップページ | ボールは血塗られたか? »
「鉄道」カテゴリの記事
- 鉄道、これからに向けて(2022.11.20)
- 鉄道開業150周年企画⑩ 2006年11月 銚子電鉄奮闘する(2022.11.12)
- 鉄道開業150周年企画 2002年8月⑨ 寝台特急「さくら」の旅(2022.11.06)
- 鉄道開業150周年企画⑧ 1992年夏 津軽海峡を越えて(2022.10.31)
- 鉄道開業150年記念企画⑦ 1992年夏、北へ(2022.10.16)
コメント