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クラウンの苦悩

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この写真がクラウンだというと、びっくりする人も多いかもしれない。トヨタ・クラウンは1955年に誕生し、現在では16代目になる乗用車で、主に日本国内市場向けに販売された。先代まではセダンタイプが中心で、ボンネット、キャビン、トランクが分離した3ボックスと言われるボディスタイルをしていた。長年、トヨタの、というより、日本の自動車産業を代表する高級車とされてきた。かつて「いつかはクラウン」というキャッチコピーもあったくらいで、ユーザーの信仰にも近い信頼感があった。

 そんなクラウンも21世紀に入ると徐々に絶対的な立場が揺らぎ始める。円高で輸入車が購入しやすくなったことと、同じトヨタからアルファードなどのピープルムーバーが広い室内と至れり尽くせりの装備を武器にユーザーの支持を集める。クラウンはスポーツセダンとしての性格を強めるが、販売台数の低下は変わらなかった。

 2022年に登場した現行クラウンは2つの点で多くの人を驚かせた。ひとつは、セダンであることをやめ、クロスオーバーSUVになった。従来のクラウンはステーションワゴンが設定されても、セダンは当然のようにあったが、今回はセダンは今後発売されるが当初はクロスオーバーSUVに一本化された。もうひとつは道路や駐車場が狭い日本の事情に合わせて高級車としては異例と言っていいほど車幅を狭くしていたが、現行モデルは世界での販売を考え、広い車幅を持っている。どちらかといえば、この2つの変化はクルマ好きの面々には否定的な受け止められ方をする方が多いし、クラウンの名前と歴史に自信と誇りを持っているトヨタにとってはこれまで通りのクラウンが作れる時代と経済状況では無くなったことに対する苦悩が見えた。

 今日、市内で夏祭りがあり、クラウンの実車に接して思ったことは、これはこれでいいんじゃないかと思った。批判が多いデザインだが、確かにパッと見はこれはセダンではないが、後席とトランクの間にしっかりバルクヘッドがあり、キャビンを優先したセダンの流れをくむパッケージングでsることがわかる。インテリアも安っぽいという声もあるが、一見そっけないように見えて手触りは悪くない素材が使われているし、収納の場所も理解できる場所にある。太いピラーに王冠エンブレム、インテリアには木目調パネルというかつてのクラウンの姿に囚われすぎる必要はないし、クルマが時代によって変わるのは当たり前なのではないかと思う。今回は内外装に触れただけだが、一度走らせてみたい。

 

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