

先日、郡山市で所用があった際、少しだけ時間が空いたので、郡山の歴史散歩に行ってきた。4カ所ほど歩いたが、そのうち終戦の日にふさわしい1カ所を紹介したい。
郡山駅から西へ進み、開成山公園を右に見ながら住宅地を進むと、左に木々に囲まれた学校が現れる。この学校は、福島県立安積高等学校という。歴史長い学校で、かつては福島県尋常中学校〜安積中学校といった。この学校の旧本館が現在でも保存されている。1889(明治22)年の建築で風格のある建物である。現在は安積歴史博物館として開放されているほか、経済産業省の近代化産業遺産に指定されたり、テレビドラマの撮影に利用されたりしている。
館内は自由に見学することができ、明治時代の学校の雰囲気を味わうことができる。当時の教室そのままに残されている。そのほか、安積開拓や安積中学校辛安積高校の卒業生の業績や経歴に関する展示もされており、興味をひいた。
その中で、私の心に最も響いた展示を紹介する。それは、歴史学者、朝河貫一(1873〜1948)が太平洋戦争中に残した言葉だ。朝河貫一は福島県二本松市出身、福島県尋常中学校、東京専門学校(早稲田大学の前身)、アメリカのイェール大学で学んだ。その後、アメリカと日本を行き来しながら、歴史学者、大学教授として活躍した。
それでは、朝河貫一が将来のアメリカ国民と日本国民に残した言葉を転記する。
「米国よ、国際連合が発足したとき、覇権を行使してはいけない。戦後、米国は謙虚さという学科を学ぶことによって、世界に現存する矛盾と不平等に思いを致し、そこから真の正義を考えなければならない。力を振りかざす正義感に立った政治伝道者的な態度は。反省しなければならない。」
「日本よ、終戦後、日本は民主改革によって、再び大発展をとげるであれうが、軍部や権力者の指導に盲従して戦争に走った共同体的論理は、もはや捨て去ろう。民主主義においては、政体がそうなっているだけでは民主国家とはいえない。国民一人一人は常に道徳と責任を自覚するとともに、民主主義を勝手にゆがむる勢力にら対しても、これに打ち勝たなければならない。こうしてこそ平和と真の民主主義が訪れるのである。」
今日は朝河貫一の言葉をかみしめながら平和と民主主義についてら考えたい。
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