未来のMIRAI
人生も歴史であると思う。だから、だれの人生にも「その時歴史が動いた」瞬間があると思う。
この人にとって歴史が動いた瞬間とは、2011年3月11日、同じく2011年8月25日、そして、2019年5月3日、おそらくその3回だろう。
この人の名は、MIRAI、岩手県宮古市に生まれた。宮古市は三陸海岸の中心的な都市である。盛岡からJR山田線という路線がある。盛岡駅を出て2、3駅も進むともう人口の少ない北上高地を走る、区界峠を越え、閉伊川に沿って下るとやがて宮古に着く。海沿いの小さな町だが、北上山地を越えてきた旅人には都に着いたような気持ちになる。MIRAIはそんな場所に育った。
MIRAIにとって最初に歴史が動いた日は2011年3月11日、言うまでもなく。東日本大震災の日である。MIRAIが住む岩手県宮古市は。震度5強の揺れが襲い、8.5mの津波に見舞われた。死者、行方不明者は600人を超えた。まだ11歳の少女であったMIRAIにとって、想像を絶する恐怖であっただろう。
次に歴史が動いたのは2011年8月25日、初代タイガーマスクの佐山聡らが宮古に来て、復興支援のチャリティプロレスを開いた。MIRAIはこれを見て、自分もプロレスラーになることを決意した。実はこの時のMIRAIはいじめられっ子で孤立無援の状況であった。プロレスと出会わなかったらもしかしたらMIRAIはいじめに屈していたのかもしれない。そう考えると人生における出会いの不思議さを感じる。
その後、MIRAIは柔道に打ち込み、高校を卒業後、練習生としてプロレスの世界に入る。そして、2019年5月3日、東京女子プロレスからプロレスラーとしてデビュー、その後、スターダムに移籍し、現在、ワンダー・オブ・スターダムのベルトを持つチャンピオンである。武器は強烈なラリアット、こいつは私も郡山で見たことがあるが、相当な破壊力がある。
いじめと震災を乗り越えて、プロレスから勇気と夢をもらった少女は、夢を実現させプロレスラーになった。これからも戦い続け、たくさんの人に勇気と夢を与えるだろう。MIRAIのこれからを応援したい、魂をこめて。
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