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もうどうにも止まらない

 自動車部品大手のデンソーが製造した燃料ポンプの不具合によるリコールは、全世界で1245万台(うち日本国内380万台)に達する前代未聞の事態に発展した。トヨタ、ダイハツ、スバル、マツダ、スズキ、ホンダと名だたる自動車メーカーの車が品質問題に揺れている。

 そのような中、鳥取県ではついにこの欠陥を原因とする死亡事故まで起きてしまった。デンソー製燃料ポンプを使用しているホンダN-BOXが鳥取自動車のトンネル内で走行不能になり、後から来た車に追突され、N-BOXに乗っていた男性が死亡した。燃料ポンプとは、その名の通りエンジンに燃料を供給する装置で、これが正常に機能しなければエンジンは正常に機能しなくなる。

 今回のリコールは、エンジンの樹脂製(プラスチック製)インペラ(羽根車)に密度の低い樹脂(質の悪いプラスチック)が使われているためとデンソーは説明している。

 今回の深刻さは、死亡事故が起きたことやリコール対象の多さだけではない。一連のリコールは2020年から始まっているのにまだ解決していないことにも表れている。日本の自動車工業は高い信頼性と経済性で世界から信頼されてきたが曲がり角に来ているのかもしれない。

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