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先日の歴史の表、何が問題かお気づきになった方も多いと思います。多くの方が、平安時代や江戸時代など、歴史教育に用いられている時代区分が書かれていないことに違和感を持たれていると思います。そして、更に正確には、中国が唐や中華人民共和国、ドイツが神聖ローマ帝国やドイツ連邦共和国などの政権名で書かれているので、大和政権や室町幕府、日本国などと記入するべきでしょう。
さらに言えば、明治時代のはじめまで、沖縄には琉球王国が存在しましたし、東北地方や北海道は蝦夷やアイヌと呼ばれた人々が住んでいたことも考えなければならない。
実はこの表は、市販の本についていたものを、日本の部分だけ青く塗りつぶしてしまったものである。本来は、平安時代や江戸時代など、歴史教育で用いる時代区分が記入されていた。では、どうしてこうしたのだろうか。最近のネット上では、「中国の歴史は80年もない」という記述をよく見かける。これは半分当たって半分間違っている。確かに、現在の中国の政権名である中華人民共和国は1949年の建国だから80年も経っていないのは事実だ。しかし、その観点で比較するなら、日本国だって大差はなく、日本国の建国を1947年の日本国憲法の施行だとすればわずか2年の違いでしかない。政権の歴史を比較するならそれでいいのかもしれないが、政権の歴史はそのうちの一部に過ぎない。歴史はそれ以前に民族の歴史、文化の歴史、経済の歴史、生活の歴史などがあり、特定の政権の歴史が短いからといって、その民族の歴史が短いとは限らない。
最近の日本は経済の停滞が長く続き、自慢の科学技術にも翳りが見られる。多くの人は徐々に貧しくなりつつあり、かつてアジアで圧倒的な先進国であった面影は無くなった。自信を失い、誇りを失いつつあった人が、改ざんされた歴史に飛びつき、それでちっぽけな自尊心を満たしているとしたらあまりにも悲しいことである。
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