クリームソーダの思い出
私が子供の頃は今ほど外食は身近な存在ではなかった。そんな子どもの時代、外食は大きな楽しみだった。外食でしか食べられないメニューも多くあり、私たち家族は祖父母と同居していたから、グラタンやミートソースのスパゲッティなどはもっぱら外食の時だけの楽しみであった。そして外食の時の食後の楽しみはクリームソーダ、今でこそペットボトルでメロンソーダが売っているが、当時は緑色のメロンソーダ自体珍しいものであった。グラスに氷を入れてメロンソーダで満たし、アイスクリームとチェリーを乗せると出来上がり。メロンソーダの緑にアイスクリームの白、そしてチェリーの赤、炭酸の小さい泡が美しく、飲むのがもったいないくらい美しかった。美味しく飲んで、最後にグラスに残った氷を舐めて微かに残ったアイスクリームとメロンソーダの味を楽しんだ。まぁ行儀のいいことではないが。
先日珍しくデパートの中にあるレストランに行った際に、子どもの頃に戻ってクリームソーダを頼んでみた。あの頃と何も変わらない味。ピリッとした炭酸の泡、緑色の涼しげな色に冷たいアイスクリーム、赤いチェリー。私の周囲の人はほとんどが入れ替わってしまったけれど、懐かしい時間が蘇ってきた。ごちそうさまでした。
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