カテゴリー「クルマ・ドライブ」の136件の記事

走れARMA(下)

 さて、実際に自動運転バスのに乗ってみる。進行方向後ろ向きの席に座り、まもなく発車となる。最高速度20kn/hと最高速度こそ抑えられているものの、そこまでの加速は軽快だった。停留所は利用者があってもなくても必ず停車するようになっている。これは制御プログラムの都合もあるのだろうが、速度が遅いので他の交通に道を譲るためという意味合いもあるのだろう。

 赤信号で停車する時だけは添乗している係員がゲームのコントローラーで指示を送っていた。その他の安全確認は全て自動運転になる。課題だと思ったのは、、運動公園の停留所の手前にはヘアピンカーブがあるが、ここの走りは熟練したドライバーのハンドル捌きには及ばない。ゆっくりと慎重にヘアピンカーブを曲がっていった。

 まだまだ課題はあるのだろうが、高齢化が進展し、運転免許を返納する人が増える時代にあって、新しい交通機関として実用化されることを期待したい。

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走れARMA (上)

 福島県田村市の船引駅北側で行われている自動運転バスの実証実験に体験乗車してきました。

 この実証実験は、JR船引駅北口を起点に、住宅地や公共施設、商業施設を巡回するルートで行われた。日曜日ということもあり、子どもを連れた保護者のほか、成人の女性、そして地方のバスでは見られない成人男性の姿も見られた。

 実証実験に使われたバスはマクニカという会社が製造したBEV(バッテリー式電気自動車)で、レベル3の自動運転システムを持つ。この段階の自動運転とは、一定条件下で全ての運転操作をシステムが行うものである。緊急時には運転手が運転を行うこともある。

 写真をご覧になるとお分かりかと思うが、スキー場などで見られるゴンドラリフトのようなデザインは沿線の人の注目を浴びていた。全長4.75m、全幅2.11mと、ピープルムーバー(ミニバン)より少しだけ大きいサイズで住宅地の狭い道にも入っていけるのは大きな強み。定員は15名で、ゴンドラリフトのように前後に4名ずつの座席と進行方向右側に3席が設置されている。流石に定員いっぱいに座ると少し狭いが、長時間の乗車を前提にしないのであれば十分だろう。



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バスが無くなってどうする

 福島県いわき市を中心とする地域で路線バスを運行する新常磐交通が、来年春に大規模な路線廃止をすることを発表した。新聞等の報道によると廃止になる路線は以下の通り。

(1)平―好間中―榊小屋
(2)平―谷川瀬
(3)平―平工高―中央台―玉川―小名浜
(4)平―若葉台
(5)平―鹿島―洋向台、平―鹿島SC―洋向台
(6)中央台―飯野―高専前―医療C―内郷、中央台―飯野―高専前―一高―医療C―内郷
(7)湯本―桜ケ丘、湯本―桜ケ丘―田場坂
(8)湯本市内循環(内・外)
(9)湯本―遠野高
(10)上遠野―大平―入遠野、上遠野―川畑―入遠野
(11)菊田小―鳳城、菊田小―万治、菊田小―南台、菊田小―井戸沢
(12)小名浜―江名―西原―光洋高
(13)泉市内循環
(14)(急行)泉―イオンモール
(15)植田―磐城農高―勿来工高

 現在運転免許を持っていない学生、高齢者、心身に障がいのある方、今後運転免許返納を検討している高齢者の方などの移動が困難になるなどの大きな影響が出そうだ。

 路線バスは全国的に縮小が続いており、大阪府に本社を置く金剛バスがすでに廃業を決め手あるほか、多くの会社が路線の廃止や運行本数の減便を決めている。多くの会社が利用客の減少による赤字経営や運転手の不足を理由にあげている。

 それならハイエースなど普通2種免許で運転可能な車両にすれば良いと考える人もいるが、こちらも不足は深刻で、地方ではタクシーがの利用に不便をきます状態になっている。また、全国各地で自動運転バスの実証実験も行われているが、最高速度が20km/hになっているので、他の交通への影響が大きく、まだまだ幹線道路を走る路線への投入は難しそうだ。 

 地方では自家用車に頼っている人が多いが、今運転できている人も、いずれは運転できなくなる、あるいは、自家用車を買い替える経済的余裕がなく、古い車に無理やり乗っていると思われる人もいる、これだっていずれは限界が来る。人間は移動する生き物だ、誰でも利用できる交通機関のこと、もっと真剣に考えたい。

MIRAIの未来

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 トヨタMIRAIは、世界初の量産車としての燃料電池車である。2014年に販売開始され、現在は2020年に販売開始された2代目が販売されている。

 先日、初代MIRAIのレンタカーに乗る機会があったので、感想を書いてみたい。ボディスタイルはいわゆるセダンタイプ。トヨタはプリウスもそうだたが、新しい技術を導入する時、セダンタイプの車から導入する。それだけ長年作り続けてきたセダンへの深い思い入れがあるのだろう。全体的に空力を重視した凹凸を抑えたデザインはやばり近未来の車という印象を持つ。

 ドアを開け、車内に入ると、白を基調としたインテリアが美しい。レザーシートの掛け心地もなかなかのものだった。押しボタン式のスイッチを入れ、ゆっくり走り出す、全幅1815mm、全長4899mmのボディはやはり大きさを感じる。仙台駅周辺の細い道路を慎重に進む。

 広い道路に出ると、モーターの加速も力強く、静かで振動もなく、実に快適。仙台東部道路、三陸自動車道も疲労を感じることなく走った。

 同行者2人と運転を交代しながら走ったから、運転席だけでなく、助手席や後席の座り心地を試したが、いずれも良好、とくに、あえて2人がけに抑えた後席が快適だった。

 3人で2日間でおよそ230km、水素充填量は2.1L、金額は2,500円と少しだった。ガソリン価格を1L180円とすると、MIRAIの走行にかかるコストはガソリン車に換算すると13.5km/Lに相当する。ガソリンエンジンのDセグメントのセダンと同等かやや良いがハイブリッドには経済性ではかなわないという結果になった。

 今後の課題は、水素充填施設の普及だろう。宮城県内には、仙台市宮城野区と岩沼市にしかない。宮城県内なら、あと、白石市、大崎市、石巻市、気仙沼市、塩竈市あたりにらほしいし、仙台市内の西部(泉区、青葉区、太白区)にもほしい。今後徐々に増えるのだろうが道のりは遠い、また、水素タンクの交換費用も長期間乗るなら必要になってくる。

 課題は多いが、燃料電池車は走行中に水蒸気しか排出しないという強みがある。MIRAI がどのような未来を切り開くだろうか。

世界に誇るモビリティショーに

 10月28日から11月5日まで、東京都のビッグサイトでジャパンモビリティショー(旧称、東京モーターショー)が行われる。今回の特徴は海外勢の出展がわずか3社(ドイツのメルセデス、BMWと中国のBYD)にとどまったことである。かつて常連だったフォウクスワーゲン、アウディ、ミニ、ランドローバー、ルノー、フィアット、プジョー、シトロエン、ジープ、テスラ、ヒョンデ、これらの会社はみんな出展を見送った。海外のモーターショーでの日本メーカーの存在感も薄いそうで、日本の自動車市場も自動車産業もどうも今ひとつ元気がないようだ。

 海外メーカーがジャパンモビリティショーへの出展をしないのは、人口が増加し、自動車の普及が進んでいる新興国の市場を重視したからという理由で一応説明がつく。日本は人口減少過程に入り、今以上の自動車の普及も望めそうにない。そうなればどちらを重視するかは言うまでもないだろう。海外のモーターショーで日本の自動車産業が元気がないのは、ズバリ出す車がないからだと思う。世界の自動車産業は急速に電動化にシフトしつつあるが、日本の自動車産業は乗り遅れている感が強い。

 では、どうすればジャパンモビリティショーが活性するか、私の案はこうである。バリアフリーとユニバーサルデザインを全面に押し出したモビリティショーにしてはどうかと考える。日本は急速に高齢化が進み、高齢者が安全に移動するためにどうしたらいいかが大きな課題になっている。実はこれは世界の多くの国が将来直面する問題である。世の中問題があるところにビジネスチャンンスがある。高齢者が安全に移動するためのモビリティを提案するショーにすれば世界にない画期的なモビリティショーになると思う。どうだろう、この案はなかなか悪くはないと自画自賛しているが。

クラウンの苦悩

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この写真がクラウンだというと、びっくりする人も多いかもしれない。トヨタ・クラウンは1955年に誕生し、現在では16代目になる乗用車で、主に日本国内市場向けに販売された。先代まではセダンタイプが中心で、ボンネット、キャビン、トランクが分離した3ボックスと言われるボディスタイルをしていた。長年、トヨタの、というより、日本の自動車産業を代表する高級車とされてきた。かつて「いつかはクラウン」というキャッチコピーもあったくらいで、ユーザーの信仰にも近い信頼感があった。

 そんなクラウンも21世紀に入ると徐々に絶対的な立場が揺らぎ始める。円高で輸入車が購入しやすくなったことと、同じトヨタからアルファードなどのピープルムーバーが広い室内と至れり尽くせりの装備を武器にユーザーの支持を集める。クラウンはスポーツセダンとしての性格を強めるが、販売台数の低下は変わらなかった。

 2022年に登場した現行クラウンは2つの点で多くの人を驚かせた。ひとつは、セダンであることをやめ、クロスオーバーSUVになった。従来のクラウンはステーションワゴンが設定されても、セダンは当然のようにあったが、今回はセダンは今後発売されるが当初はクロスオーバーSUVに一本化された。もうひとつは道路や駐車場が狭い日本の事情に合わせて高級車としては異例と言っていいほど車幅を狭くしていたが、現行モデルは世界での販売を考え、広い車幅を持っている。どちらかといえば、この2つの変化はクルマ好きの面々には否定的な受け止められ方をする方が多いし、クラウンの名前と歴史に自信と誇りを持っているトヨタにとってはこれまで通りのクラウンが作れる時代と経済状況では無くなったことに対する苦悩が見えた。

 今日、市内で夏祭りがあり、クラウンの実車に接して思ったことは、これはこれでいいんじゃないかと思った。批判が多いデザインだが、確かにパッと見はこれはセダンではないが、後席とトランクの間にしっかりバルクヘッドがあり、キャビンを優先したセダンの流れをくむパッケージングでsることがわかる。インテリアも安っぽいという声もあるが、一見そっけないように見えて手触りは悪くない素材が使われているし、収納の場所も理解できる場所にある。太いピラーに王冠エンブレム、インテリアには木目調パネルというかつてのクラウンの姿に囚われすぎる必要はないし、クルマが時代によって変わるのは当たり前なのではないかと思う。今回は内外装に触れただけだが、一度走らせてみたい。

 

未来のバスがやってきた

 先日、中国のBYDが製造する小型電気バス、J6に乗る機会があった。乗車する場所まではトヨタ・ハイエースで移動した。フカフカのシートに身を任せると、これは快適、エアコンの効きも良好、これはなかなか快適だと思った。ハイエースを降り、しばし待つと大きな熊のイラストが描かれたJ6がやってきた。早速乗り込むと、おや、ずいぶんフロアが低い、さっきのハイエースは床が高く、高齢者が乗り込むのは「よっこらしょ」という感じになるが、J6なら楽に乗り込める。ちなみに車内は、運転席とこ後部の座席2列分だけバッテリーなどの機器を積むために床が高くなっているが、そのほかの席は床が低く、乗り降りや車内の移動はとても楽だった。

 走り出すと。バスという乗り物の概念を覆す静かさだった。通常、この手の小型バスはエンジンが非力なせいか、加速時や上り坂では結構うるさいが、J6はとにかく静か、エンジンの振動もないから快適性は上々。車内の窓下にUSBのポートがあり、スマートフォンなどの充電ができるのは便利である。難を言えば、座席のクッションが薄く、平たい作りになっていたので、長時間座るのには向いてなさそう。

 現在、ハイエースやキャラバン、国産の小型バスが担っている、市街地循環バスやコミュニティバス、送迎バス、シャトルバスなどにBYDのJ6が受け入れられる可能性は十分ありそうだ。

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ひょっとしたら

 かつてアメリカでさんざん馬鹿にされていた日本車、信頼性と経済性の高さでアメリカ市場に定着しました。時は流れ、日本のメーカーはくたびれてきました。コストダウンも限界に近いようで、おおきなりこも頻発していますし、時代の変化にもついていけず、もはやトップランナーではないのかもしれません。私は、中国の自動車メーカーが日本市場に定着する可能性はあると思っています。

没落の兆候か?

 トヨタ自動車は23日、前輪の緩衝装置の一部に不具合があったとして、小型乗用車「ヤリス」「アクア」「シエンタ」の3車種、計59万4140台(2019年12月~23年5月製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。

 国交省によると、装置の製造が不適切で、亀裂が生じているものがある。最悪の場合、走行中に部品が破断し、走行安定性を損なう恐れがある。(時事通信)

 最近これに限らず大規模なリコールが頻発しています。ダイハツによるロッキー、ライズ(トヨタへOEM供給)では、ドアの衝突安全性の不正な方法での試験もありました。日本の自動車メーカーが、人、金、時間の面で余裕がなくなり、十分なチェック体制が組めなくなったり、限界ギリギリまでコストダウンや耐久性の余裕を削っているのではないかと考えられる。信頼性の高さを武器に世界に販路を広げていった日本の自動車メーカーにとって、これはかなりまずい兆候だと思う。

エンジンブレーキうっとおしい問題

 ずいぶん昔の話だが、クルマに詳しくない人に「エンジンブレーキってどこについているの」と聞かれたことがある。残念ながら、エンジンブレーキという部品は存在しない。しかしエンジンブレーキという方法で減速することはできる。なんだそりゃと言われそうだが、事実だから仕方がない。

 エンジンブレーキとは、ガソリン車やディーゼル車で使える減速方法で、アクセルペダルから足を離すことで、エンジンの出力を抑え、緩やかに減速する方法である。例えば、道路が混雑している時に速度を抑えたい時や、前方の信号が赤信号だが、まだフットブレーキを踏む状況ではない時に使う。また、下り坂で速度を抑えたい時にはシフトダウンを組み合わせればより強いエンジンブレーキをかけることができる。 

 特にエンジンブレーキが重要なのは長い下り坂を下る時だろう。フットブレーキだけで長い下り坂を下りようとすると、ブレーキが加熱して効きが悪くなるペーパーロック現象を起こし、最悪の場合、事故につながる。昨年起きた富士山での観光バスの死亡事故もフットブレーキの使いすぎが原因と言われている。

 エンジンブレーキの仕様は重体の減少にも効果がある。むやみやたらとストップランプを光らせるドライバーがいるが、後続のクルマのドライバーはそうなればフットブレーキを踏まざるを得なくなる。やたらとストップランプが点滅するのは、「ア・イ・シ・テ・イ・ル」のサインだけにしたいものである。最悪なのが、車間距離を取らずに、フットブレーキを踏む直前までアクセルペダルを踏むドライバーだろう。無駄にガソリンを消費して、むやみやたらにストップランプを光らせ、渋滞の原因を作る。

 最近、Twitterなどで、「エンジンブレーキうっとおしい」という投稿を目にしたが、まず見直すべきはエンジンブレーキの使用よりも車間距離だと思う。エンジンブレーキによる減速は強くはないので、ちゃんと車間距離をとって前を見ていれば慌ててフットブレーキを踏むことは考えにくい。だいたい、車間距離を詰めたところで、混んだ道路で早く目的地に着くわけでもないし、遅いクルマがが急いでくれるわけでもない。だいたい、遅いクルマを許せないような人は公道を走るより、サーキットを走った方がいいだろう。

 楽しいゴールデンウィークは、エンジンブレーキを使って安全運転を、車間距離を取ってスムーズでエコな運転を。

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